世界におけるキャッシュレス決済の普及状況と、日本の実態
近年、私たちの身の回りのさまざまな場所でキャッシュレス化が進んでいます。経済産業省が2025年に公表した、2024年のキャッシュレス決済比率は42.8%でした。デジタルマネー、コード決済アプリ、クレジットカード、プリペイドカード、デビットカードと、決済サービスは多様化し、その場の目的や導入状況に適した決済サービスを利用するのが自然になっています。
しかし世界的に見ると、日本はキャッシュレス化について後れをとっている印象です。韓国や中国、欧米諸国では日本以上にキャッシュレス決済の比率が高くなっています。
私は2019年に起業し、子どもの自立を助ける、親子向けプリペイドカードのサービスを立ち上げました。長女が生まれ、「好きなことにワクワク取り組める人になってほしい」と思うとともに、子どもたちがお金の使い方を通して自分の好きなものに気づくような体験をつくりたいと思ったからです。
起業の前後では海外のキャッシュレス事情をリサーチすることもありましたが、2018年頃に中国を訪れたときには、自販機やカプセルトイ、移動も含めて街のあらゆるサービスを、すべてキャッシュレスで支払うことができて驚いたのを覚えています。また以前に、アメリカ在住の人にインタビューしたときは「子どもたちが現金を使う機会がないので、現金での支払い方が分からない子どもも多い」という回答もありました。
日本でキャッシュレス決済がなかなか普及しなかった背景には、他に類を見ない偽造防止技術が施されている貨幣への信頼があるとも考えられます。盗難も少なく、現金を落としても返ってくるような治安の良い国だからこそ、現金を持ち歩くことに抵抗を感じる人が少ないのです。ATMなどの金融インフラが整っているのも、現金決済に不便を感じることがない理由の一つです。
しかし、海外からの観光客も増え、グローバル化の進む今、日本でも全国的にキャッシュレス比率を高めていくことが必要不可欠といわれています。

