銀行ローンを活用する方法のメリットとは?
実際に法人を設立して相続税対策に乗り出す方法ですが、実はさまざまな部分で節税のテクニックが必要になります。以下、いくつかをまとめて紹介しましょう。
まず、親の相続財産を法人に移す際に銀行ローンを組んで買い取る方法ですが、問題は実績も何もない会社に銀行は融資をしてくれるのかどうかです。前述したように、現物出資や分割払いもありますが、融資が受けられるものであれば銀行からフルローンで借りて、親に現金を支払ってしまったほうが、相続税という点では何かと有利です。
しかし銀行でローンを組むということは、相続税対策が目的であるこのような場合、一般の銀行の融資条件のハードルは高いものがあります。むろん、ある程度の資産規模を持つ資産家で、取引実績もあれば、どの銀行でも喜んで融資してくれますが、そうでない場合は、いくら担保があるからといっても、そう簡単に融資してもらえないのが現実です。
ただし、資産家でない人に対しても、一部の銀行では積極的に融資する姿勢を見せています。相続財産の担保価値を客観的に判断してもらえれば、融資はしてもらえるはずです。
財産が現金だけになれば対策は取りやすくなる
この「銀行ローンを借りて親に譲渡代金を払う」という方法は、相続の対象となる不動産そのものがなくなることになり、残るのは親の金融資産だけとなります。現金はさまざまな形の節税方法がありますから、対策を取りやすくなるはずです。
なお、親の自宅などにローンが残っている場合、入ってきた現金で返済してしまうことができます。
例えば、1億円のうち5000万円が残債務として残っているようなケースでは、金融機関から1億円借りて、その1億円が親にわたって、親は5000万円の残債務をその時点で返済してしまうことになります。その上で、残りの5000万円を再度子どもの法人に再投資したり、相続時精算課税や教育資金の贈与といった贈与税の非課税規定を利用したりするといった方法も考えられます。
会社は資金的に余裕が出て、その出資金を元手にまた異なる収益物件を購入。不足分はローンなどで銀行からまた新たに融資を受ければいいのです。
株式という形で資産を保有していれば、前述のように相続税の申告では個人で不動産や現金を保有しているよりも、資産価値の評価は低くすることができます。さらに相続の発生時も所有権を移す必要はないので、「不動産取得税」や「登録免許税」がかからないなど、さまざまなメリットがあります。
いずれにしても、個人で資産を所有しているよりも、法人を活用したほうがコストの面では有利であることは間違いありません。