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わからないから不安になり、不安だから相談してしまう
将来の自分の老後生活に不安を感じるのは「どのくらいのお金が必要かわからない」のが大きな理由のひとつだといえます(記事『定年退職後「本当に必要なお金」はいくらなのか? ポイントは「寿命」「女性90歳」』参照)。
しかし、人生における不安は老後生活だけではありません。そもそも「お金の話」は、日本人にとってわからないことだらけです。なぜなら、日本の金融教育は不十分であり、多くの人は金融リテラシーが高いとはいえないからです。だから、お金のことは「わからないことだらけ」となり、不安ばかりが募っていくのです。
そこで発生するのが「不安になる→相談する→金融商品を買う…」というサイクルです。よくあるのが、下記のようなケースです。
身近な人の入院・手術等の話を聞き、自分の資産額で十分なのか不安に
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保険代理店で医療保険について相談し、加入する
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年齢が上がるにつれ、保険料が高額に
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保険料の支払いで貯蓄が減り、老後不安が募る
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金融機関で貯蓄について相談し、投資を提案されて購入
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購入した投資商品が値下がりし、お金がさらに減る
金融商品の購入で不安が解消したように思えても、実際は解消しておらず、さらに不安が増すという、悪循環に陥ってしまうのです。
こんな泥沼にはまらないようにするには、注意すべきポイントがあります。
その商品は、だれにとってオススメなのか?
「不安だから相談したい」という気持ちはわかります。勧められるものがあまり理解できていなくても、安心できるならと思い、買ってしまう気持ちもわからなくもありません。
注意してほしいのは「オススメですよ」「人気ですよ」という言葉です。
だれにとってオススメなのか、その点をよく考えてみましょう。買ってくれると嬉しいのはセールスしている人という可能性はないでしょうか。なぜ人気なのでしょうか。積極的にセールスしているから売れているだけという可能性はないでしょうか。どちらも「利益を上げやすい売りたい商品を売っている」という可能性です。実は、これはよくある話です。
最低限の知識を持つことが大切
希望をあまり伝えていないのに勧められた商品は、基本的にはスルーでOKです。それは金融機関が売りたい商品でしょう。利益を上げやすい商品なのでしょう。
しかし、金融機関も営利企業である限り、利益を上げることを目指すのは当たり前のことです。慈善事業じゃないですから。
大切なのは、あなたが少しだけ知識を持つことなのです。
もちろん、親身になって一緒に考えてくれる人もいるでしょう。でも、実はあなたの財布の中身しか興味がない、そんな人かもしれないのです。この両者の見極めは、容易ではありません。
大事なキーワードは「利益相反」です。どのような利益が相反しているのかは、もうおわかりでしょう。商品を売ることによって得られる手数料は、金融機関の利益の源泉です。しかし、あなたは手数料が少ない方がうれしいはず。つまり、あなたと金融機関との関係は利益が反しているのです。これが根底にある関係であることを忘れてはいけません。
この関係性はどうやっても変えることはできません。変えられないから、あなたが知識を持つことが必要なのです。それは、自分自身のためなのです。
小林 篤典
FP事務所 きずな 所長
