年齢を重ねると猜疑心が強まる?
「俺の財産を奪いに来ているんじゃないか」
「優しくされると、裏があるように感じる」
高齢者がこうした感情を持つことは珍しくないといいます。年齢を重ねると、身体だけでなく脳の働きや感情の制御も変化します。その結果、ちょっとした一言にも過敏に反応したり、人の善意を素直に受け取れなくなったりするのです。
また、老後は「喪失の時期」でもあります。長年連れ添った配偶者を失い、職場を離れ、社会的な役割も減っていく。そんな中で、手元にあるお金だけが、かろうじて自分を支えてくれる存在に。その結果、お金に執着するようになり、「この財産だけは守らなければ」……それが猜疑心という形で表れるのです。
さらに、Aさんのように、エリート会社員だったという場合、「自分の判断こそ正しい」「誰にも頼らずに生きてきた」とプライドが高いことも少なくありません。老いによる判断力の衰えや、子どもからの心配が、あたかも自分の能力や尊厳を疑われているように感じられてしまうといいます。
認知症の症状である可能性も…子ども側がケアするべきこと
高齢者の詐欺被害が増える中、「誰も信用できない」という気持ちが強くなるのは、ある意味自然であり、必要な防衛反応なのかもしれません。けれど、その結果、大切な人とのつながりまで失ってしまうとしたら本末転倒です。
一方で、年を重ねて猜疑心が強まった親に対して、子ども側がケアすべきこともあります。というのも、高齢の親が金銭の話などに過敏に反応したときには、そこに認知症の初期症状が隠れている可能性もあるからです。
前述の通り、猜疑心や被害妄想は脳の変化によって起こることもあるため、子ども側は病気の可能性についても考え、場合によっては検査などを勧めることも必要です。
財産を守ることに気を取られすぎたAさんは、気づけば本当に守るべき家族との信頼や絆を失っていました。老後において何を大切にすべきか、改めて考えさせられます。
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