(※写真はイメージです/PIXTA)

「下流老人」「老後破産」…なんとも辛い言葉が多くなった昨今。老後に必要なお金、貯められているでしょうか? 厚生労働省『令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』などとともにみていきます。

親の老後が心配…「一人っ子男性の悩み」

東京都内に暮らす40代独身のAさんは、一人っ子。近年、彼の最大の悩みは、両親の老後問題です。

 

両親はともに70代後半で、現在は大きな病気もなく元気に過ごしています。しかし、年齢とともに身体の衰えを感じる場面が増えてきました。とりわけ心配なのは、十分な貯蓄がないこと。自分の生活と両親の介護をどう両立させるか、日々頭を悩ませています。

 

「今さら両親を責めるつもりはありませんが、これからどう支えていくかが大きな課題です。すべて自分一人で背負うプレッシャーは相当なものです」

 

両親は年金で生活しています。厚生労働省『令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によれば、厚生年金の平均月額はおよそ14万7,360円。Aさんの両親は、夫婦で月に約22万円の年金収入がありますが、生活はぎりぎり。

 

医療費や急な支出があれば、Aさんがその都度援助しています。そのため、Aさん自身の貯蓄も十分にできていないのが現状です。

 

「実家は古い一軒家で、修繕費や固定資産税、医療費などが積み重なると、どうしても私が補填することになります。自分の将来への備えがどんどん削られていきます」

 

両親の安全と快適な暮らしを考え、老人ホームの入居も検討しました。しかし、想像以上に高額な費用に驚かされました。

 

入居一時金として数百万円から1,000万円以上が必要な施設もあり、さらに月額の利用料も10万〜20万円以上が一般的。両親に十分な貯蓄はなく、Aさんの収入だけでその費用を賄うのは現実的ではありません。

 

「安心できる環境を用意してあげたいと思いましたが、費用を聞いて愕然としました。とても手が届きません」

 

Aさんの悩みをさらに重くしているのが、「一人っ子であること」。兄弟姉妹がいれば、相談や費用の分担も可能ですが、Aさんには頼れる存在がいません。

 

「何かあれば、すべて自分一人で判断しなければなりません。両親を支えたい気持ちはあるものの、自分の将来も不安で……このままでいいのか、葛藤しています」

 

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