(※写真はイメージです/PIXTA)

悪夢のような暴落は、突然訪れるものです。リーマンショックやコロナショックのように、市場全体を揺るがすような大暴落は、投資家にとって最大の試練となります。大切な資産を守るためには、どう備え、どう行動すべきなのでしょうか? PAN氏の著書『世界最強の米国株で始める株の教科書』(フォレスト出版)より、暴落への具体的な戦略を解説します。

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暴落が起きたらすぐに逃げる!

いざ暴落に巻き込まれると、人は冷静に判断できなくなるものです。「たまたま下がっただけだ。きっと明日には止まるだろう。それからまた上がるはずだ」と、根拠なく考えたくなります。しかし、投資の世界では祈りや願望は意味をなしません。暴落という現実と向き合ってどう行動するか、それだけがあなたの資産を守る方法です。

 

もし、逃げ遅れてしまったら…

暴落が発生したなら、迅速にリスク資産を売却してください。逃げ遅れないこと、それが一番です。とはいえ、アメリカ市場が開いているのは日本の深夜です。対応が遅れてしまうことだってあるでしょう。

 

もしすでに暴落がある程度進行しているようなら、売却せずに持ち続けるという選択肢もあります。大幅に下落したあとは、反発して回復する可能性が高いです。さらなる下落が起きないようであれば、そのまま保持することでダメージから回復できることもあります。

 

判断が難しい…二番底のリスク

しかし、これは判断が難しいものでもあります。逃げた方がよいのか、すでに底値だから反発を待った方がよいのか。底値を打ったように見せかけて、再び下がる二番底という動きもあります。いったん下げ止まり、少し反発してから、また大きく下がるものです。最初の底値と同じ水準まで下がると、二番底が形成され、その地点で下げ止まるのがよくあるチャートの動きです。

 

出所:『世界最強の米国株で始める株の教科書』(フォレスト出版)より抜粋
[図表1]二番底 出所:『世界最強の米国株で始める株の教科書』(フォレスト出版)より抜粋

 

2008年のリーマンショックでは、最初の底値は8月に形成されて、翌年9月に二番底が現れました。このように1年近く間が空くこともあります。下げ止まったかどうかの判断は難しいですが、逃げ遅れたときは、情報収集を行い、最終的には売るか持ち続けるかを自分で決めなければなりません。

 

出所:『世界最強の米国株で始める株の教科書』(フォレスト出版)より抜粋
[図表2]投資家心理が「二番底」を生み出す 出所:『世界最強の米国株で始める株の教科書』(フォレスト出版)より抜粋

損切りルールと売却タイミングの見極め

株は買うときに、「〇〇%値下がりしたら売却する」などの損切りルールを決めておくことをおすすめしています。損切りルールに基づいて逆指値注文を出しておけば、暴落時にあわてなくて済みます。価格の下落が急激すぎると、設定した価格で売却できないこともあるので、暴落時には完璧な対策とは言えませんが。

 

ところで、「株価は下落してもまた戻るので、あわてず、騒がず、コツコツ積立を続けましょう」と書いてある投資の本がたくさんあります。そこで「本当に急いで売却する必要があるの?」と疑問を抱いた人もいらっしゃるかもしれませんね。

 

たしかに、米国経済は何度も暴落やリセッションを経験しながら、常に株価は力強く回復し、以前よりも高い水準にまで成長してきました。なので、その考えは過去においては正しかったといえるでしょう。でも、これからも正しいかどうかはわかりません。今後もアメリカに投資マネーが集まり続けるかもわかりません。

 

それに、1~2年で回復した暴落もありますが、リーマンショックやテックバブル崩壊のように長く続いたものもあります。米国株はまだしも、日経平均はバブル崩壊から30年間も低迷していたのですから、「ほったらかしで大丈夫」とはとても考えられません。

 

ただ、「暴落しても売却せずに持ち続けましょう」という考えにも一理あります。それは、底値の見極めが難しいからです。急いで売ったつもりが、すでに底値に達していて、売った直後に上がり始めることもあり得ます。やはり、暴落の原因をしっかりと調べ、チャートを分析し、自分で判断するしかないでしょう。

 

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※本連載は、PAN氏の著書『世界最強の米国株で始める株の教科書』(フォレスト出版)から一部を抜粋し、再編集したものです。

世界最強の米国株で始める株の教科書

世界最強の米国株で始める株の教科書

PAN

フォレスト出版

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