「賃上げ体制」を整えるために検討したい「助成金」活用
社会全体としては近年、賃金が上昇傾向にあります。特に令和6年の春闘では、平均賃上げ率が5.33%と、33年ぶりに5%台に達しました。さらに政府は、賃上げの継続を経済成長の鍵と位置づけ、令和11年(2029)までに最低賃⾦を1,500円に引き上げる⽅針を掲げています。
企業はこうした社会情勢に対応するため、⽣産性や業務効率を向上させ、賃上げできる体制を整えることが重要となります。賃上げや設備投資が進まない場合、従業員の離職や求⼈応募の減少を招き、⼈⼿不⾜倒産のリスクが⾼まります。
特に中小企業では、賃上げによるコスト増加が経営を圧迫しており、持続的な賃上げの実現には課題が残っています。また、社会保険料の増加も企業の財務状況を圧迫し、人材採用や育成にあてる余裕を奪う可能性もあります。
今後も、物価動向や企業の収益状況を注視しながら、賃金上昇の持続性を確保する取り組みが求められ、政府も特に中小企業への支援策を検討しています。その一つが助成金です。
従業員の待遇改善と設備投資が同時に叶う「業務改善助成金」
私がお勧めする「業務改善助成金」は、中小企業や小規模事業者が事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った場合、その費用の一部を助成する制度です。設備投資と従業員の待遇改善という、2つの課題にアプローチできる助成金です。
これらの助成金を活用することで、企業は資金負担を軽減しながら、競争力を高めることが可能となります。
また、現代の経営環境においては、単なる機械導入にとどまらず、働き方改革の一環として職場環境の改善やデジタル化推進が求められています。
設備投資と助成金を適切に活用することで、企業の持続的な成長を促すことができるのです。
藤井 貴子
ノエル社会保険労務士事務所
代表
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