税務署は「インターネット取引」に目を光らせている
Aさんは「実際に店舗を構えて事業を行っているわけでもないし、わざわざ申告する必要はないだろう」と考えていましたが、これは誤りです。近年、税務署はインターネット取引の情報収集に力を入れています。
事業内容に関係なく、副業収入について確定申告をしていない場合は「無申告」となります。税務調査で「無申告」が発覚した場合、通常の場合5年、悪質な場合7年前まで遡って追徴税を徴収することが可能です。
近年税務署は無申告者に対する情報収集を積極的に行っており、税務調査の対象とされやすくなっているため、注意が必要です。
また国税局には、「電子商取引専門調査チーム」が設置されています。これは、アフィリエイト収入をメインの収入源とする「アフィリエイター」をはじめ、電子商取引事業者を対象に情報収集・税務調査を行うチームです。
アフィリエイト収入は、ASPや報酬の支払先が税務署へ提出する支払調書などから、誰にいくら報酬を支払ったかがわかるようになっています。そのため「申告しなくてもバレないだろう」と思っていても、支払先の情報から裏がとれてしまうのです。
また、調査の前段階として、税務署から「インターネット取引等についてのお尋ね」が届くことがあります。こちらの文書には、自主的な確認をお願いするといった内容が記載されていますが、無視すると税務調査に発展する恐れがありますので、きちんと回答しておいたほうがよいでしょう。
この“お尋ね”が送られてきた時点で、税務署はある程度申告漏れ等の情報を掴んでいる可能性が高いです。無視したり事実を回答しなかったりすると、税務署に悪質だと判断されて思わぬペナルティを課されかねません。
副業収入があれば正直に申告を
近年はAさんのように、趣味のブログなどからアフィリエイト収入を得ている人も少なくありません。軽い気持ちで始めたものが思わぬ収入になるケースも存在します。
しかし、税務署はネット関係の申告漏れについて目を光らせているのが現状です。さらに、税法改正により「無申告者」に対するペナルティが重くなっています。
場合によっては思わぬ加算税や延滞税などを課されることとなるため、申告漏れのないようご注意ください。
宮路 幸人
宮路幸人税理士事務所
税理士/CFP
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