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「売り相場で買い、買い相場で売る」ではない投資スタイル
バフェットは60年以上前に大量のバークシャー・ハサウェイ株を買って以来、2006年まで1株も手放したことがなかった。ブラック・マンデー(1987年のニューヨーク株式市場の大暴落)のときも、ダウ平均が心理的な節目である1,100ポイントを割り込んだときも、市場の大揺れに直面しても、常に冷静でいた。ただし、バフェットのスタンスは、売り相場で買い、買い相場で売るという単純な逆張り投資家のスタンスとはちがう。あくまでも冷静さを保つことを自分に課している。
当時の米連邦準備制度理事会(FRB)のアラン・グリーンスパン議長がいみじくも「根拠なき熱狂」と名づけた狂騒に巻き込まれてはならないし、弱気相場におじけづいて、屈してもいけない。長い目で見れば、結局うろたえる必要などなかったことが明らかになる。
稼ぐのは「株に向いていない玄人」より「株に向いている素人」
バフェットが愛読しているベンジャミン・グレアム著『賢明なる投資家』(邦訳、パンローリング刊)のなかで、グレアムは、「投資のプロセスに性格が向いている『普通の人々』が、そうした資質を持たない、金融や会計、株式市場の実情に関する幅広い知識のある人々よりもずっと多くの利益を確保しているケースはいくらでもあるのだ」と書いている。
言い換えれば、テクニカルな面で腕を磨くことではなく、長期的視野にたって理解することが大事なのだ。バフェットが1,060万ドルで買ったワシントン・ポスト株を10億ドルに変えることができた理由のひとつは、株をもちつづけたからだ。1973年にバフェットがワシントン・ポスト株を買った直後、同社の株価はさらに50%下がり、その後2年間低迷した。だが、バフェットは1株も売らなかった。長期的な見通しをもっていたからだ。
その後も、ワシントン・ポストは試練に見舞われつづけた。労働争議、ウォーターゲート事件、リセッション、戦争、そして、ダウ平均が508ポイントも下落した1987年10月19日のブラック・マンデー。それでも、バフェットは1株も手放さなかった。長期的な見通しを抱いていたからだ。その忍耐は2014年に見事に報われたことになる。
