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利益を得るのは市場ではなく企業から
バフェットはこんなメンタルトレーニングを勧めている。株を買った翌日から、市場が5年間閉鎖されることになったと想像してみるのだ。自分なら、そう聞いても別にどうということはないとバフェットは言う。なぜなら、「短期取引」を狙って株を買うわけではないからだ。
バフェットは、利益を得るのは株式市場からではなく、その企業からと決めている。市場は付加価値のあるものを手に入れる場所にすぎない。ほかにも、あなた自身に合った忍耐力の訓練方法があるかもしれないから、いろいろ考えてみよう。
忍耐強くなるのは確かに簡単なことではないだろうが、バリュー投資の「正しい資質」を身につけるためには、絶対に忍耐心が必要になる。投資をするときは、旅行者ではなく、永住者になると考えよう。
ある都市プランナーがパリの大通りに木陰をつくりたくて木を植えようと提案した。その彼にこんな注意をする者がいた。
「そこまで木が大きくなるには80年はかかる。植樹なんて考えるべきではない」。だが、それを聞いて、彼はこう言った「なんだって。それじゃ、すぐに植えないと!」。
私たちが木陰に座っていられるのは、何十年も前にだれかが木を植えてくれたおかげだとバフェットは考える。どんぐりが樫の木になるまでには、長い時間がかかる。
ネブラスカ州オマハでは、少なくとも25家族が60年間バークシャーの株を保有しつづけてきた。もともとの投資金額は全部合わせてもせいぜい5万ドル。それが2004年には1億ドル以上になっている。
バフェットは、投資家として、また優良企業の経営者として、そのときどきに生まれる波を乗り切って、泳ぎつづけてきた。バークシャー・ハサウェイについては、同社を自分の企業として大事にする人々にオーナーになってもらいたいと言っている。自分のオーナーシップ、つまり、バークシャー株を保有していることを、毎分価値が変わる紙切れをもっていると思うのではなく(実際には確かに株価は毎分変動しているが)、家族と買った不動産の一部を所有しているように捉えてほしいとバフェットは言う。
あなたは小さな雑音にいちいち反応して、家族で共有している土地やマンションを売るだろうか。もちろん、そんなことはしないだろう。だから、株もそのように考えてほしいとバフェットは言う。
