(※画像はイメージです/PIXTA)

株価が急騰すれば熱狂し、暴落すればパニックに陥る。――多くの投資家が繰り返すこの過ちに対し、投資の神様、ウォーレン・バフェットは一貫して警鐘を鳴らしてきました。1999年のITバブル崩壊、そして自身の保有株暴落という「最悪の年」を経験してもなお、彼が揺るがなかったのはなぜでしょうか? 本記事ではジェームス・パードウ氏著、中島早苗氏訳『エッセンシャル版 ウォーレン・バフェット』(サンマーク出版)より、勝ち続ける投資の極意を紐解いていきます。

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半値に下がったら不安に駆られて手放しそうな株は買うな

1999年は、バフェットの持株会社バークシャー・ハサウェイにとって最悪の年となった。一方、NASDAQ指数は1990年代後半のITフィーバーを反映して、最高値を記録した。

 

そうしたなかで、ローテク企業の株を手放さずにいるバフェットの姿勢は時代遅れとみなされ、「ホット」なハイテク株を頑固に買おうとしないバフェットなど、もはや価値がないと専門家は断言した。バリュー投資は絶滅しかけている恐竜で、いまやデイトレーディングの時代が来たというわけだ。

 

2000年3月、かつては最高値で一株当たり8万4000ドルをつけたバークシャー・ハサウェイのクラスA株(訳注1)は、半値以下の4万ドルに落ち込んだ。

 

本業のビジネスは堅調で、長期見通しが安定していたにもかかわらず、不安に駆られた投資家たちがバークシャー・ハサウェイ株を売りに出したのだ。バークシャー・ハサウェイを襲う嵐のなかで不安に見舞われ、船にしがみつく代わりに、船から飛び下りたのだ。

 

バフェット流に振る舞うと…

バフェット流に振る舞うとしたら、こういうときにどうするだろう。

 

当然、優良企業の株価が半分に下がったときは買いのチャンスだ。バフェットならば、気まぐれな市場の動きにではなく、企業のファンダメンタルズに目を光らせるはずだ。もしこのときに彼のアドバイスを忘れずに、半値に下がったバークシャー株を買っていれば、2004年に株価が反発し、一株当たり9万7000ドルに急騰したとき、十二分な報いを手にしたことだろう。

 

確かに、株式市場全体が熱くなっているときに冷静でいるのは、とても難しい。株価が急落して、専門家の予想や雑誌の見出しがいっせいに暗くなったときに平然としているのは、もっと難しい。事実、そういうときに一番楽なのはパニックに陥ることだ。

 

だが、絶対にそうしてはいけない。優良企業の株をもっているなら、それを保有しつづけること。その株を底値で売りたいと思っている人が現れたら―その掘り出し物を買うことだ。

 

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本連載は、ジェームス・パードウ氏著、中島早苗氏訳『エッセンシャル版 ウォーレン・バフェット』(サンマーク出版)から一部を抜粋し、バフェットが実践した投資の心得について詳しくご紹介します。

エッセンシャル版 ウォーレン・バフェット

エッセンシャル版 ウォーレン・バフェット

(著)ジェームス・パードウ、(訳)中島 早苗

サンマーク出版

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