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Q1. 相続人のひとりが一定の不正な行為をした場合、その人はどうなりますか。
A. 民法上、相続財産に関して一定の不正な行為をした人は、相続人であっても相続権を失います。たとえば、相続人のひとりが遺言書を破棄した場合には、破棄した人は相続欠格者となり相続権を失い、相続人ではなくなります。
民法では遺言に関し、次の(1)から(3)のいずれかに該当する者は相続人の資格を剝奪されることになっています。とくに(3)は現実によく問題になります。
(1)詐欺または脅迫によって、被相続人の相続に関する遺言書の作成、取り消し変更を妨げた者
(2)詐欺または脅迫によって、被相続人の相続に関する遺言書の作成、取り消し、変更をさせた者
(3)相続に関する被相続人の遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿した者
Q2. 遺言書記載の受遺者が遺言者より先に死亡していた場合は、どうなりますか。
A. 受遺者(遺贈を受ける人)が遺言者より先に死亡している場合、この遺贈は無効となります。なお、遺言者と受遺者が同時に死亡した場合も、遺贈は無効となります。
したがって、受遺者の取得分は本来の相続人に帰属することになり、法定相続人はこの分について遺産分割協議を行い、遺産の取得者を決めることになります。
Q3. 相続欠格について教えてください。
A. 民法の規定で相続人になるはずの法定相続人でも、次に該当する者は相続人の資格がなくなります(民法八九一条)。
(1)被相続人や自分より先の順位や同順位の相続人を殺したり、殺そうとし、刑に処せられた者
(2)被相続人が殺されたことを知っていながら、犯人を告訴しなかった者
(3)被相続人を騙したり脅したりすることで、被相続人が遺言したり、遺言を取り消したり、変更することを妨害した者
(4)被相続人を騙したり脅したりすることで、被相続人に遺言させたり、遺言を取り消させたり、変更させたりした者
(5)被相続人の遺言書を故意に偽造、変造、破棄、隠匿した者
Q4. 相続廃除について教えてください。
A. 遺留分を有する法定相続人が、被相続人を虐待したり、重大な侮辱を加えた場合や、法定相続人にその他の著しい非行があった場合、被相続人は家庭裁判所へ申し立てて法定相続人の相続権を奪うことができます。これを相続廃除といいます。なお、遺言で法定相続人を廃除する旨の意思を表示することもできます。
家庭裁判所が「廃除原因あり」と認定するのは、遺留分を否定して相続権を完全に奪うことが、社会的かつ客観的に正当とされる場合です。この場合、養親子間の離縁原因である「縁組を継続し難い重大な事由」あるいは、夫婦間の離婚原因である「婚姻を継続し難い重大な事由」と同程度の非行がある必要があります。
