(※写真はイメージです/PIXTA)

駅徒歩5分以内が絶対条件――都心の不動産市場で長らく金科玉条とされてきた常識が、崩壊しつつあります。なぜ、パワーカップルやエリートサラリーマンらがこぞって、湾岸エリアを選ぶのか? 本稿では、和田真樹氏の著書『晴海フラッグ』(つむぎ書房)より、湾岸エリアの魅力を紐解いていきます。

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湾岸地域が注目される理由

湾岸地域の最大の魅力は、都心への近さと癒しの両立です。中央区や江東区の沿岸部は、銀座や丸の内といった都心中枢から車やタクシーでわずか15~20分の距離に位置しながら、広がる海の眺望と開放的な雰囲気を楽しめる点が他の地域と一線を画しています。

 

平成から令和にかけて、豊洲や有明を中心にタワーマンション群が開発され、これらの地域が“新しい高級住宅街”としての地位を確立しました。さらに、晴海や勝どきなどの中央区側や、品川寄りの港区湾岸部も新たな注目地域として浮上しています。

 

ビジネスアクセスと癒しの両立

東京の不動産市場では長らく「駅徒歩至上主義」が主流でしたが、近年、その価値観が大きく揺らいでいます。その背景には、以下の社会的変化があります。

 

●リモートワークやフレックス勤務の普及

通勤の必要性が薄れた結果、ラッシュアワーを避けた新しいライフスタイルが浸透。

 

●海辺や公園の広い住環境を求めるニーズの増加

自宅で過ごす時間が長くなったため、海や自然を身近に感じられる環境が重要視されるようになりました。

 

湾岸地域は、こうしたニーズに応える場所として、都心近接ながらも非日常的な開放感を提供します。その魅力は、豪華な共用施設と圧倒的な眺望によって際立っています。

 

多くのタワーマンションの共用施設は、住む人々に特別な日常を提供します。ラウンジ、大浴場、フィットネスジム、そしてゲストルームなど、まるで高級ホテルに滞在しているかのような設備が揃っています。これにより、ただ「住む」ための場所を提供するだけでなく、日々の生活そのものにラグジュアリーな価値を付加しているのです。

 

さらに、湾岸地域ならではの、高層階から一望できる東京湾や、夜になると輝きを放つ東京の夜景は、他の地域では得られない特別な体験を住まいに提供します。これらの要素が、湾岸地域のタワーマンションを「都市のリゾート」としての地位に押し上げ、多くの共働き世帯や海外帰りのファミリー層から支持を集めています。

 

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※本連載は、和田真樹氏の著書『晴海フラッグ』(つむぎ書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

晴海フラッグ

晴海フラッグ

和田 真樹

つむぎ書房

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