度重なる通知を無視…最後に届いた「ピンクの封筒」の正体
34歳のAさんは、長年の夢だったフリーのWebデザイナーとして独立を果たしました。組織に属して働くのも悪くはないけれど、もっと自由に、もっと自分らしく生きていきたい。そう考えての決断でした。
独立当初は、どんな小さな仕事でも引き受け、寝る時間を惜しんで働く毎日。売り込み営業にも精を出しましたが、やはり最初からとんとん拍子とはいきません。
その一方で、Aさんを悩ませたのが、独立に際しての事務作業。会社員時代は会社の担当者が手厚くフォローしてくれましたが、今はすべて自分自身でやらなければいけません。
そんなある日、日本年金機構から年金保険料の納付を促す1通の封筒が届きました。中身を見ると支払いを求める案内文が。
Aさんは「年金ね、はいはい……」と言いながら結局そのまま放置。以降も何通か届きましたが、毎日届くDMやチラシの山に積まれていくだけでした。看護師として働き、多忙な妻も、Aさん宛の郵便物は意に介していませんでした。
「会社員時代にそれなりに貯金してましたし、うちは共働きですから、年金保険料を払えないほど切羽詰まってたワケじゃないんです。でも稼ぎはすごく減って、出ていくお金のほうが多くて。無意識に『払いたくない』『払わなくても大丈夫でしょ』って、優先順位を下げていたんだと思います」
そう振り返るAさん。
日本年金機構からの封筒を何通か無視したAさん。そして、とうとう届いたのが「ピンクの封筒」でした。
普段見ない色の封筒です。さすがのAさんも開封すると、延滞金に加えて「財産差し押さえの可能性」について書かれていました。さらに驚いたのは、年金は本人だけでなく配偶者や世帯主にも連帯納付義務があるという記載。家族にも影響が及ぶというのです。
「これはまずいぞ……」
慌てて調べると、年金未納による差し押さえは決して珍しい話ではなく、年間数万件も実施されているという事実を知りました。
「恥ずかしい話ですが、年金を払うのが義務だという意識が抜けてたんです。会社員時代は天引きだったから、ほとんど気にしてなかった。『連帯納付義務』には焦りました。こんなこと妻に知られたら何て言われるかと思って……もちろんすぐに払いにいきました」
その後は、きちんと納付しているというAさん。この機会に年金のことを調べて、先が怖くなったといいます。
「自営業って老後は本当に厳しいですね。いや、うっすら知ってはいたんです。でも僕にとって老後はまだ先で、あんまりピンときてなかった。年金はもちろんきちんと払って、それ以外にも老後用のお金を貯めて。今から準備しないとえらいことになると思いました。フリーになったことを後悔しないよう、頑張らないといけませんね」
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