Aさんの「高級ワイン」が全額経費として認められたワケ
Aさんの顧客ターゲットは富裕層であり、ワインに詳しい人も少なくありません。そのため、Aさんも以前からワインの勉強に力を入れており、ワインエキスパートの資格も取得していました。
さらに顧客から「実物投資の資産として『ワイン投資』が面白い」という情報を得たAさんは、顧客向けに高級ワイン投資のセミナーを開催していました。
もちろん高級ワインを揃えれば、それなりの出費がかかります。しかし、種類豊富な高級ワインを割安に飲み比べできるなど参加者にも利点が多かったことから、セミナーはいつも盛況だったといいます。
なお、参加者からはそれに見合うだけの会費も受け取っており、そちらは会社の収入として計上。さらに、希望者にはワイン投資会社のなかから信頼できる業者の紹介を行っていたため、調査の結果、高級ワインの購入は業務に関係しているといえるだけの客観的な証拠があると判断され、Aさんの「高級ワイン」は全額経費として認められることとなったのです。
経費か趣味か…税務署が判断するポイント
経費計上の条件は“業務上必要かどうか”
税務調査における経費計上の判断基準は、主にその費用が「業務上必要かどうか?」と「業務用途と個人用途を明確に区分できるか?」の2つです。
たとえばスーツの場合、業務上必要なために購入するケースもあるでしょうが、これは個人用途との明確な区分が難しいため、経費計上することは困難です。
また、昼食代なども顧客との打ち合わせが目的であれば経費にできます。しかし、1人で昼食をとった場合は個人の昼食代扱いとなり経費とは認められません。
高級ワインが経費として認められるには次の3つのポイントが重要です。
1.関係構築に役立っている/収益の向上に結びつく
ワインの購入がビジネス上の関係構築や収益の向上に結びつく場合、経費として認められる可能性があります。たとえば、取引先との会食や、顧客へのワインの提供が該当します。
2.「交際費」として計上している
ワインの購入費用は交際費として計上するのが一般的です。交際費は業務上の必要性と、金額が妥当であるという条件を満たしている必要があります。
3.記録を残す
税務署は経費計上の理由と妥当性を確認し、認否を認められるか否かを判断します。経費計上の理由を明確に説明できるよう、領収書や明細書などの記録をしっかりと残すようにしましょう。
具体的には、取引先との接待や取引先への贈答品、または販売促進活動の一環としてワインを購入した場合には、経費計上が可能です。ワインの価格や購入目的が妥当であれば認められる可能性が高くなります。
ただし、今回のようによほど明確な説明ができない限り、高級ワインのような品目は税務調査で否認される可能性が高いでしょう。
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