ワイン好きのやり手社長が「税務調査」の対象に
現在59歳のAさんは、コンサルティング業を営む会社の社長です。大手コンサル企業に勤めた経験と人脈を生かして50歳で早期退職して独立。富裕層専門のコンサルティング会社を起業しました。
ほとんど個人で動いているものの、業績は順調に推移。会社は小規模ながら年商は約1億円にのぼります。
仕事柄会食や接待が多く、交友関係も広いAさん。そのため、経費のなかでも「交際費」が占める割合が少なくありませんでした。
そんななか、ある日税務署から連絡が。聞けば、税務調査に伺いたいといいます。
「なぜうちに……? 税理士を入れてきちんと申告しているのに」
不思議に思ったAさんですが、断る理由もなく素直に了承。税務調査当日を迎えました。
Aさんの会社を訪れた2名の調査官は、最初こそAさんと和やかに雑談していたものの、趣味や家族構成、これまでの経歴など、徐々に踏み込んだ質問を投げかけてきます。
売上について聞かれた後、調査官は経費が記録された帳簿に目を留めました。なかでも交際費の項目にあった「高級ワイン」が気になったようです。
調査官「売上も年々伸びていて、さすがですね! 仕事柄、取引先との接待も多いんですか? 交際費の内訳をみると『ロマネ・コンティ』に『シャトー・ペトリュス』、『シャトー・ムートン・ロートシルト』など名だたる高級ワインが経費に計上されていますが……」
Aさん「ええ、これらはすべて営業上必要なので、経費として計上させてもらっているんです」
調査官「なるほど……さすがに接待とはいえ、ここまで高級なワインを飲む必要があるとは思えません。これは、社長の個人的趣味ではないですか? もしそうならこれらは役員賞与となり、経費として認めるわけにはいきませんよ。どうなんですか?」
Aさん「いえいえ、ちょっと待ってください。個人的趣味ではないですよ。なぜなら……」
高級ワインが「社長の個人的趣味」であると疑われたAさんでしたが、Aさんの理由を聞いた調査官はそれまでの質問攻めから一転、「これは経費ですね。失礼しました」と謝罪。全額経費として認められることとなりました。いったいなぜなのでしょうか。
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