税務調査官「優秀な息子さんだ」…51歳男性、神童と呼ばれた23歳息子の「アメリカ留学費用3,000万円」を経費計上→税務調査で課された〈衝撃の追徴税額〉に悲鳴【税理士が解説】

税務調査官「優秀な息子さんだ」…51歳男性、神童と呼ばれた23歳息子の「アメリカ留学費用3,000万円」を経費計上→税務調査で課された〈衝撃の追徴税額〉に悲鳴【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

国税庁の税務調査実績によると、個人(個人事業主)が調査を受ける確率は0.5~1.0%、会社や法人は2%ほどとなります。この確率を高いと感じるか低いと感じるかは人それぞれですが、税務調査の対象となった人が口をそろえて言うのは「まさか自分が」というセリフです。誰もが対象となりえる税務調査のポイントについて、具体的な事例をもとに詳しくみていきましょう。

取引先の“悪魔のひと言”

――ここまで税金が高いと働く気をなくすよ……。

 

現在51歳のAさんは建設業を営む個人事業主。業績は右肩上がりで、経営も順調です。

 

そんなAさんには悩みがありました。それは、業績に比例して年々増える納税額。

 

「なんとか節税できないものか。でも、やりすぎて税務調査が来るのも怖いし……」

 

Aさんが取引先のひとつであるB社長にそんな話をすると、B社長は「うちは結構なんでも経費にしているけれど、調査なんか来たことないよ。気にしすぎじゃないか?」と笑います。

 

(そういうものなのか。うちが正直にやりすぎているんだろうか……)

 

B社長の“助言”をもとに「息子の学費」を経費計上することに

そんなAさんには23歳になる息子がいます。その息子は小さいころから頭が良く、近所では「神童」と呼ばれていたほど。学歴コンプレックスを抱いていたAさんは「息子には一流の教育を受けさせたい」と、地元の悪友たちを遠ざけるためにも高校からアメリカに留学させていました。

 

教育費には糸目をつけない考えのAさんでしたが、円安やインフレの影響もあって学費と生活費が家計を圧迫しています。これもAさんが抱える悩みの種のひとつでした。

 

そこでAさんは、子どもの7年分の留学関連費用、計3,000万円ほどを経費に計上したのです。

 

こうした処理を続けていたある日のこと。税務署からAさんのもとに「税務調査に伺いたい」と連絡が。

 

(おいおい、税務調査なんて来ないんじゃなかったのか!?)

 

Aさんは内心バクバクで税務調査当日を迎えます。

税務調査官の意外な対応

すると、やってきた調査官は予想外に穏やかです。拍子抜けして気が緩んだAさんは、世間話のなかで調査官に“息子自慢”をはじめます。

 

Aさん「ウチの息子ね、実はアメリカのX大に留学しているんです。なかなかこっちに帰ってこないから、寂しい気持ちはあるんですが」

 

調査官「X大!? すごい有名大学じゃないですか。いやはや……おみそれしました。優秀な息子さんだ」

 

自慢の息子を褒められ、Aさんは鼻高々です。

 

調査官「ところで……御社の帳簿をみると、アメリカへの旅費や送金が非常に多いようですが」

 

穏やかムードから一転、いきなり急所を突かれ、Aさんは大慌てです。

 

Aさん「えっ! ええっと、そ、それはですね……」

 

調査官「先ほど、息子さんはアメリカに留学されているとおっしゃっていましたよね。それと関係があるのでしょうか?」

 

Aさん「……」

 

調査官は笑顔でAさんを追い詰めていきます。

 

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