前回は、資産クラスの「相関係数」に基づいた分散投資の効果を説明しました。今回は、分散投資では「資産配分」よりも「リスク配分」を重視すべき理由を見ていきます。

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リスクは「運用結果の振れ幅」と捉える

資産運用の世界でリスクとは「危険」ではなく、結果が不確実であることを意味し、それはつまり値動きの大きさを意味します。値動きが小さければ「リスクが低い」、一方で大きければ「リスクが高い」と言います。

 

値動きが大きな資産クラスへの投資であれば、高い利益を期待できる反面、大きな損失を被る場合もあります。逆に、値動きの小さい資産クラスへの投資であれば、高い利益は期待できませんが、その分、大きな損失を被る可能性も小さくなります。リスクはプラスもマイナスも含む「運用結果の振れ幅」であると理解いただければと思います。

リスクを適切に見積もり、管理するのが投資の本質

資産配分ではなく、リスク配分に注目することにより、効率的なリスク管理と分散投資を行う考え方を「リスク・バジェッティング」と呼び、ピクテが運用しているアセット・アロケーション運用もこのリスク・バジェッティングの手法を用いています。

 

直訳すれば、「リスクを割り当てる」ことです。株式に何パーセント、債券に何パーセントといった資産配分から入るのではなく、それぞれが持つリスク量(標準偏差)と取ることができるリスク量の観点から、リスクを割り当てるように株式や債券などの組み合わせを決めていくという考え方で、より高い分散効果が期待できます。

 

 

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従来型のアセット・アロケーションでは資産額の時価を基準に配分したり、変更したりするだけで、全体が持つリスクを適切に管理することができません。しかしリスク・バジェッティングの考え方を取り入れることで、リスク管理に重きを置いた分散投資が可能になります。

 

前述したように、様々な投資のなかでも投資信託に関して、「専門家が運用してくれるから安心」「分散投資をして運用する商品だからリスクが低い」、その上「複数の投資信託を保有すれば、より高い分散投資効果が得られる」 このような誤解をしている人は少なくありません。

 

しかし投資信託が株式や債券など変動商品の組み合わせである以上、市場変動により、含み損を抱える時期が来る可能性もあります。そのリスクの度合いをどう見積もり、管理し、そして見返りとしてのリターンを積み重ねていくのか。これこそが投資の本質です。単純に「多くの人が購入している商品だから」「金融機関の担当者に勧められたから」といった理由で購入してしまうと、いつか後悔することになるかもしれません。

 

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    本連載は、2016年10月31日刊行の書籍『211年の歴史が生んだピクテ式投資セオリー 』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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    萩野 琢英

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