正規雇用と非正規雇用に横たわる格差
望まず非正規雇用で働く人も多い一方で、Aさんのように、自らの心身を守るために非正規雇用を選ぶ人もいます。もちろん、自分が選んだ働き方であれば、誰に非難されることではありません。しかし、その選択には大きなリスクが潜んでいることは知っておくべきでしょう。
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、40年以上働いた場合の生涯賃金は、正規雇用で約2億7,000万円、非正規雇用ではおよそ1億2,000万円。倍以上の差があるのです。
非正規雇用は昇給や退職金、昇進のチャンスがない場合が多く、キャリアの積み重ねが難しい。これが、そのまま老後の年金額や生活の質にも影響を与えます。
総務省の「令和5年労働力調査」によれば、正規雇用の割合は63.0%、非正規雇用は37.0%。つまり、約4割が非正規で働いており、Aさんのようなケースは特別ではなく、社会全体で見ても決して珍しくない状況です。
働き方に正解はありません。正社員としてのストレスで心身を壊すよりも、自分らしく働ける選択をすることは、何より大切なことです。
しかし、「今の心地よさ」を守る一方で、「将来の安心」への備えを後回しにしてしまうと、気づいた時には取り返しがつかなくなる可能性もあります。
大切なのは、選んだ働き方の先にある未来を想像すること。収入が少なくても、つみたてNISAなどを活用して少しずつ資産形成をする、スキルアップのために勉強をするなど、小さな一歩を重ねることで、未来の不安を少しずつ軽減していくことができます。
Aさんの選択は、苦しみながら働く人々にとっては必要なものでしょう。ただ、その選択の続きとして、自分の老後や将来の備えも意識すること。それが、心地よさと安心を両立させるための鍵なのかもしれません。
【参考】総務省「令和5年労働力調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/
注目のセミナー情報
【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション
【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
