(※写真はイメージです/PIXTA)

人間ドックや健康診断のために病院へ訪れる場合と、すでに身体のどこかに疾病外傷(の可能性)があり診療のために訪れる場合とでは、当然来院者が病院に求めることは異なります。本記事では、前者の場合に焦点を当て、健康診断センターにおけるホスピタリティ・クレーム対応について医療法人社団筑三会筑波胃腸病院理事長・消火器外科医の鈴木隆二氏の著書『選ばれる病院になる 予防医療の接遇力』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集し、詳しく解説します。

健診施設側に過失がある場合

健診施設では1日に約20人という受診者が訪れ、さまざまな検査を受けます。本来あってはならないことではありますが、なかには健診で受けるべき検査をせずに帰宅させてしまった、あるいは誤って必要のない検査をしてしまった、というトラブルが発生することもあります。

 

私たちも健診センターを開設した当初は、このようなミスをいくつか経験したことがあります。

 

ポイント1 院長など、責任者が謝罪

こうした検査の漏れや誤りは健診施設側の過誤になりますから、施設責任者、当健診センターでは病院長が受診者にお詫びと説明をするようにしています。職員の説明だけでなく、責任者が対応することで施設としての誠意を示すことができますし、受診者も丁寧に対応をしてもらったという印象を抱きやすくなります。

 

そのうえで必要な検査が漏れてしまったときは、あらためて所定の検査を受けてもらうように依頼し、受診の日程等を調整します。反対に不要な検査をしてしまったときはしっかり謝罪をし、検査費用の自己負担なしで事務処理を行います。

 

病院での医療事故と異なり、健診施設の場合は一度の検査の誤りが深刻な健康被害を及ぼすという事例はほぼ考えられません。ですが受診者が謝罪に応じず、なんらかの補償を求めるようなことがあれば病院長と対応を協議します。

 

ポイント2 再発防止策を講じる

同時にこうした検査のミスが続くことがあれば、健診施設としての信頼性が損なわれますから、十分な再発防止策を講じることも重要です。

 

会計前の検査終了確認の徹底、健診システムと受診票を用いたダブルチェック、複数の職員による確認体制など、二重、三重に安全策を施し、検査の漏れやミスが極力発生しにくいシステムを構築していく必要があります。

 

 

鈴木 隆二

消化器外科医

医療法人社団筑三会筑波胃腸病院理事長

医学博士

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※本連載は、鈴木隆二氏の著書『選ばれる病院になる 予防医療の接遇力』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・編集したものです。

選ばれる病院になる 予防医療の接遇力

選ばれる病院になる 予防医療の接遇力

鈴木 隆二

幻冬舎メディアコンサルティング

著者は自身の医院で健診・検診業務を始めた際に、この考え方を大切にし、医療機関としての専門性を保ちながらもサービス業のような丁寧な対応を目指しました。「接遇」を意識したその姿勢は地域の人たちからも好評を得ており、…

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