(※写真はイメージです/PIXTA)

人間ドックや健康診断のために病院へ訪れる場合と、すでに身体のどこかに疾病外傷(の可能性)があり診療のために訪れる場合とでは、当然来院者が病院に求めることは異なります。本記事では、前者の場合に焦点を当て、健康診断センターにおけるホスピタリティ・クレーム対応について医療法人社団筑三会筑波胃腸病院理事長・消火器外科医の鈴木隆二氏の著書『選ばれる病院になる 予防医療の接遇力』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集し、詳しく解説します。

まずはクレーム予防を徹底

こうした不満や訴えを防ぐたにまず大切なのは、そうした苦情が起きないように十分な対策をしておくことです。

 

費用についていえば、予約受付時に費用についてよく確認し、必要ならば病院と健診施設の違い、健康保険適用の有無などについて、あらかじめ説明をしておくことです。

 

このほか当健診センターでは、館内にゆったりとしたBGMを流し、待ち時間もリラックスした気分で過ごせるように配慮しています。待ち時間の間にも自由に利用して楽しんでもらえるように雑誌や漫画などの無料アプリも案内しています。

クレーム対応で最も大切なこと

で対応苦情や不満が収まらないときは、その受診者の訴えを「よく聴く」ことも大切です。いわゆる「傾聴」の姿勢です。

 

傾聴というのは医療接遇でも頻繁にいわれることですが、相手の言葉を遮ったり否定したりせず、丁寧に耳を傾け、共感的な姿勢を示すことです。こちらの事情や主張はいったん脇に置いておいて、とにかく相手の話を聴くことに徹します。

 

当健診センターの経験では、相手が感情的に不満をぶつけてくるような場合でも、粘り強く傾聴をしていると、それだけでクレームが自然に解消していくことがほとんどです。

 

不満を強く訴えていた人も、自分の話を十分に聴いてもらえたことで「理解してもらえた」「自分を尊重してもらった」という充足感が出てくるのだと思います。

 

なお、医療接遇としての「傾聴」の方法については、さまざまな民間企業・公的機関による講習やワークショップが行われています。そうした研修を定期的に受講し、職員の傾聴スキルを高めていくのも良い対策になります。

 

一人の受診者に傾聴の対応をしていると、少なくとも一人の職員の仕事の手が止まりますから、その分は周囲の職員がカバーするなどのチームの連携は必須です。

 

またクレームが続くときは、対応する職員を代えるのも一案です。最初の対応が男性職員なら女性職員が替わる、反対に女性職員がてこずる相手には男性職員が出ていく、というように対応する人を変えると、それだけでガラッと態度が変わって穏やかになる場合もあります。

 

単純に受診者と職員の“相性”ということもありますし、女性や若い職員に高圧的な態度をとる人もいれば、男性職員には当たりが強くても、女性には優しくなる人など、いろいろな人がいます。

 

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※本連載は、鈴木隆二氏の著書『選ばれる病院になる 予防医療の接遇力』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・編集したものです。

選ばれる病院になる 予防医療の接遇力

選ばれる病院になる 予防医療の接遇力

鈴木 隆二

幻冬舎メディアコンサルティング

著者は自身の医院で健診・検診業務を始めた際に、この考え方を大切にし、医療機関としての専門性を保ちながらもサービス業のような丁寧な対応を目指しました。「接遇」を意識したその姿勢は地域の人たちからも好評を得ており、…

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