解体の合意、費用捻出は至難の業
解体するにしても莫大な費用を要し、そもそも区分所有の建築物が解体される事例すら極めてまれなのに、解体を視野に入れた修繕積立金の徴収も行っていないので、解体の合意を形成したうえ、さらにその費用を捻出するのは至難の業であろう。
僕の湯沢町におけるマンションや区分所有型ホテルの取材は、当初はYouTubeの動画を制作するために行ったものだった。それまでは湯沢町に足を運ぶ機会もなく、バブルのころに建てられたマンションが今も残されている、という程度の知識しかなかったが、初めて訪れた湯沢町で目にしたこのスポーリア湯沢のインパクトがあまりに強すぎて、相対的に苗場の10万円マンションの問題がかすんで見えてしまったほどである。
ところが、そのYouTubeの湯沢関連動画は全4本立てで公開したものの、このスポーリア湯沢と、町内で廃業したもう一つの区分所有型ホテル「苗場泉郷コンドミニアムホテル」を扱った区分所有型ホテルの動画は、全4回のうち最も再生回数が伸びなかった回となった。
底値で売られるリゾートマンションと比較し、類似の事例が少ないことと、そもそも区分所有型ホテルというビジネスモデルのわかりにくさ、周知の低さが主な要因と思われるが、個人的には現在の湯沢町に存在する区分所有建物の中でも、特に深刻な事例と考えている。
吉川 祐介
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