区分所有型ホテルならではの深刻な問題
スポーリア湯沢の建物を建造物として判断すれば、周辺にある同時期のリゾートマンション同様、築後三十数年経過した程度の、堅牢に造られた鉄筋コンクリート製の建築物である。
運営会社が破綻したホテルの残骸であり、その構造はホテル利用に特化して想定したものだが、法律上はあくまでマンションと同様、区分所有権が設定された高層建築物だ。固定資産税は、当然その建物の構造と規模に見合った額が課税されることになる。
つまりスポーリア湯沢の区分所有者は、破綻後は配当金(賃料)を受け取れるわけでもなく、かといって一般のマンションのように自己使用できるわけでもないまま、ただ固定資産税が課税されるだけの「区分所有権」を保有したまま今に至っていることになる。
これは苗場のマンションが10万円で売られている話とは、ある意味では比較にならないほど深刻な問題である。
苗場のマンションはまだ0円で手放せる可能性も残されており、所有者はその気になれば別荘として使うことも可能だが、スポーリア湯沢のような破綻した区分所有型ホテルはそれもできない。
それどころか、そもそも各オーナーは、自分が所有する客室の鍵すら渡されておらず、立ち入ることは不可能である。(実際は賃借権が設定されているので難しいが)仮に所有する客室を何らかの用途で使用するにしても、すでに閉鎖されたホテルでは電気や上下水道、ガスなどのインフラも利用することができない。
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