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長男による裏切り
真面目な兄の隆さんは、経営は順調ながらもムダ遣いをやめない弟を見過ごすことができませんでした。そこで前職でのコネクションを使い受注を増やせることを理由に、自分も会社の役員に入れるようにと良男さんに打診。役員として会社に加わることになりました。
実際に、隆さんが入ったことで会社は受注を拡大し、業績も向上しました。先代である父の他界後、あたかも兄弟が力を合わせて順風満帆なようにみえていましたが、ある日、隆さんは事を起こします。弟の良男さんの解任を申し出たのです。
長男の策略…次男は代表取締役の座から転落
隆さんは新規事業を開始する際、事業資金として1,000万円を会社に出資。そのときに筆頭株主が変わっていました。良男さんには「いざとなってもこのお金は返済する必要はないから」と伝えます。
このときに筆頭株主が変わりました。隆さんは父が亡くなった際に取得した株式と合わせ、1,000万円を出資したことで隆さんの持ち株を大きく上回ったのです。当時、良男さんに追従していたほかの役員はこれに気が付き、良男さんに忠告するも、良男さんは「兄貴は信用に足る人だから心配するな」と取り合いませんでした。
信頼していた兄の裏切りに驚いた良男さんは抵抗し、弁護士に相談しました。しかし、時すでに遅く、対抗することは難しい状況。良男さんは社長の座から追いやられることに……。こうして会社のお金を使って夜の街で好き放題遊んでいた生活はあっけなく終焉。良男さん個人での貯蓄はほとんどなく、途方に暮れました。
兄からは和解案がありました。社宅として会社で所有していた都心部に存するマンションを退職金代わりに渡されたのです。良男さんの年金は月額18万円程度。住まいは実家があるため、年金だけでも生活に困りはしません。しかし、以前のような贅沢は到底難しい状況です。結局、都心部に所有していたマンションも維持費が高く、手離すことに。経営者仲間との付き合いも次第に疎遠になってしまいました。
