父の猛反対を押し切り…兵庫県・老舗企業を継いだ若社長が“完全フルリモート”に大胆改革「本当に変えたかったもの」とは

父の猛反対を押し切り…兵庫県・老舗企業を継いだ若社長が“完全フルリモート”に大胆改革「本当に変えたかったもの」とは
(※画像はイメージです/PIXTA)

コロナ渦をきっかけにリモートワークを行う会社は急増しました。しかし、まだまだ在宅ワークは発展途上。そんななか『僕がフルリモートで会社を経営する理由』(幻冬舎メディアコンサルティング)の著者、平井康介氏がフルリモートに舵を切った理由とは。

父から継いだ会社は社内コミュニケーションに難あり

私が在宅フルリモートという働き方をするのに至ったのは、父が経営していた会社を手伝うことになったことがきっかけです。父の会社は建設機械用の油圧配管や部品を製造していました。それまで私はシステム会社でプログラマーとして働いていましたが2010年に父に請われて親会社に入社しました。その後、設計・製作を一括して行う子会社の社長を父から受け継ぎました。

 

私にとって社長への就任は、決して簡単な決断ではありませんでした。父から引き継いだ会社は、社員と前の社長のコミュニケーションがうまくいっておらず、社員の自主性も乏しく、新たなことに挑戦する機会も多くはありませんでした。社員とのコミュニケーションがうまくいっていないと、組織の活力が失われ、業績にも影響を及ぼします。

 

私はこのような状況を変えたいという想いから、まず「社員とのコミュニケーションの改善」に取り組むことにしました。

チャットツールの導入

父が社長の時代、デジタルツールはあまり使っていませんでしたが、今はテクノロジーが進化してChartworkやSlack、Teamsなど、多くのビジネス向けチャットツールがあります。私はコミュニケーション改善のために、2018年に試しにチャットツールを導入してみました。「チャット」というツールがもつ柔軟性に着目したのです。

 

チャットは時間や場所に縛られず、社員とのやり取りができます。導入当初、社員たちはその有効性に半信半疑でしたが、ほどなくしてその効果は表れました。社員間のコミュニケーションが活発化し、情報共有のスピードが向上したのです。 会話の記録が残ることでプロジェクトの進捗や議論の要点を全員が共有できるようになりました。

 

また、社長と管理職、社長と社員とのコミュニケーションも対面よりも自由に行うことができ、互いの考えが理解しやすくなり意見交換も活発になりました。チャットツールの導入は、相互理解を深めコミュニケーションを改善し、組織の活力向上につながったのです。

 

そこで私はさらに改革を進める決意をしました。社長が指示命令を出さなくても社員一人ひとりが自ら考え、行動を起こす組織づくりに舵を切ることにしたのです。それがリモートワークの実践です。

 

次ページ社長が次に実践した「秘策」とは

※本連載は、平井康介氏の著書『僕がフルリモートで会社を経営する理由』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです。

僕がフルリモートで会社を経営する理由

僕がフルリモートで会社を経営する理由

平井 康介

幻冬舎メディアコンサルティング

ぶれない理念と行動指針の策定で「自走型組織」は実現できる! 歴史的な円安やそれに伴う物価高、人口減少による市場の縮小など日本企業にとっては先の見通せない厳しい経営環境がつづいています。そのようななかにあっても…

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