エフォートレス転職活動のすすめ
とはいえ、いきなり「休職だ! 転職活動だ! 副業だ!」と頑張りすぎたら、やっぱり倒れてしまいます。そこでチャレンジしてほしいのが、ゆる〜い転職活動です。ここはおしゃれに、エフォートレス転職活動とでも言っておきます。
転職活動には、たとえば求人をとりあえず眺めてみるとか、転職エージェントとオンライン面談をしてみて「私の年収って相場からみてどうですかね?」と確認するといった、とりあえず……で始められるものがあります。転職エージェントにはノルマがあるので短期間の転職をせかしてきますが、今ある求人がベストかはわかりません。また、市場の不景気・好景気と、転職市場の状況は少し時期がずれるものです。病んでいないなら、慌てて転職する必要もないでしょう。
逆に「転職はちょっと……」という方も、ぜひエージェントにコンタクトしてみてください。なぜなら、自分がずいぶん会社に買いたたかれていたことに、気づけるかもしれないからです。世間で年収800万円が相場の業務内容で、社格も同じくらいなのに年収500万円だったら、ちょっと考えてみたくもなるじゃないですか。
大切なのは、可能性を消さないこと。転職するかもしれないし、しないかもしれない。副業をする可能性もあるし、ちょっと見てみるか。こういう「選択肢のドアを開けておく」行為ができれば、いざというときに動けます。
ここでは、基本的に「自分が転職や副業をどうするか」という、主体が自分だけの話をしています。しかし、どこかのタイミングで会社がなくなるかもしれないのです。倒産した会社の平均寿命は約24年(2021年)。多くの会社が従業員の定年を迎える前に消えてしまうのです。特に最近は、高齢化に伴い事業継承が難しい時代。黒字だからと安心していたら、後継者不足で会社をたたみます……なんて未来も考えなくてはなりません。そういうとき、あらかじめ自分の可能性を知っていれば俊敏に動けます。今すぐではなく、いつかの自分を守るためにも、たくさんの情報を得ておきましょう。
トイアンナ
ライター/経営者
