上司が「部下のことを考えた時間」は全労働時間の6%…「転職したい!」「上司がわかってくれない!」と思う前に知っておくべき〈現実〉とは?

上司が「部下のことを考えた時間」は全労働時間の6%…「転職したい!」「上司がわかってくれない!」と思う前に知っておくべき〈現実〉とは?
(※写真はイメージです/PIXTA)

「私が陰でこんなに大変な思いをしているのに上司はわかってくれない」と誰もが一度は上司に対してこのような思いを抱いたことはあるのでは? しかし、上司が「部下のことを考えた時間」は全労働時間の6%にすぎないという結果に。ライターであり、現在は編集プロダクションを経営するトイアンナ氏の著書『えらくならずにお金がほしい 会社は教えてくれないキャリアのルール』(大和書房)から一部抜粋し、「上司へ失望する前に知っておくべき現実」を紹介します。

いきなり転職したくなる気持ちは、わかる

本当にするかどうかはさておき、「転職したい!」と思ったことは、誰にでもあるんじゃないでしょうか。SNSには「極貧生活から一発逆転! 今では月商〇千万円! 今月はバリ島で1か月のバカンス」みたいな人があふれています。平常時なら詐欺だろうなとか、実は膨大な借金を抱えているのかも……と思えるものですが、家庭も仕事も荒れていると、そういう視野がビッッッッックリするくらい狭くなるんですよね。

 

キャリアの話から少し脱線して申し訳ないのですが、私はかつてDVの被害を受けていたことがあります。その相手と同居していたわけですが、なぜかそこで「弁護士を入れる」「警察に相談する」とか「黙って引っ越す」という選択肢を思いつけませんでした。「一生添い遂げるか、もう死ぬか」という、デスゲームのような世界観しか描けなかったのです。

 

当時の私は学生で、アルバイトを5つ掛け持ちしていました。そのお金はすべてDV彼氏の学費と生活費に消えていましたから、経済的な余裕はなし。しかも、その状態で相手はお酒を飲んで暴れるわけです。お互いがお互いの傷をなめ合う共依存関係になっていましたから、日々の情緒は嵐にもまれる海のよう。この状態では、まともな解決策を思いつけなかったわけです。

 

日本の正社員で転職率は7.5%(マイナビ2023年調査による) 。転職はいまだに珍しい選択肢です。にもかかわらず「転職したい!」と思うなら、精神的に追い詰められているケースが多くなります。会社でえげつないパワハラ・セクハラに遭っていたり、とんでもない常駐先でいじめられていたり。その状態で「冷静な判断をしよう」なんて呑気にアドバイスするほうが無駄というもので、高額な情報商材や投資詐欺、スピリチュアルやマルチ商法などにひっかかった方は、口をそろえて「あのときは心の余裕がなくて」とおっしゃいます。

 

だからこそ、いきなり転職したくなる気持ちはわかります。ただ、そういうときって、メンタルがそうとう追い詰められている可能性があるのです。ですから、まずは「その他」の選択を考えてみましょう。

次ページ上司へ失望する前に知っておくべき「現実」

※本連載は、トイアンナ氏の著書『えらくならずにお金がほしい 会社は教えてくれないキャリアのルール』(大和書房)より一部を抜粋し、再編集したものです。

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