これまでの不動産投資のスタイルとして、ある程度の期間保有した物件は売却し、その代金でまた新たに物件を買うという手法がありました。しかし不動産価格の高騰により、戦略転換を行った投資家も多いのだとか。菅谷太一氏の著書『インフレ時代を勝ち抜く 1都3県・木造・3階建て 新築アパート投資入門』(幻冬舎メディアコンサルティング)より詳しくみていきましょう。
最近の融資動向と融資戦略
2024年夏から、金融機関の融資姿勢が全般的に少しずつ厳しくなってきました。1つの理由は、6月に倒産(負債総額52億円)した中堅建設会社の暁建設をはじめ、建設業界で倒産が続いたことです。倒産の主要因は資材や労務費の高騰ですが、これにより、金融機関が不動産投資の融資に少し慎重になっています。
私たちが把握しているなかでも、不動産投資に積極的だった、関東にある地方銀行のA銀行は、コベナンツ融資といって、融資開始時に手数料を取る代わりに、フルローンで通常1.5~2%の金利を、1%以下に引き下げることができました。
ところが現在は、このコベナンツ融資でもフルローンが出なくなり、90%融資になっています。また、B銀行では、A銀行と同じようなコベナンツ融資でフルローンが出ていますが、入り口で融資の土台に載る属性が引き上げられています。
中部地方に本店があるC銀行では、融資金利が1.975%から2.075%へと引き上げられました。
日銀が利上げ方向に進む以上、このような傾向は避けられません。そして経済情勢にもよりますが、この引き締め傾向は、少なくとも数年は続くと思われます。
現在のところ投資家が取れる対策としては、大きく融資条件が悪化する前に、なるべく早めに融資を受けるということです。
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ハウスリンクマネジメント株式会社 代表取締役
宅地建物取引士/液化石油ガス設備士/丙種ガス主任技術者
東京都八王子市出身。
新卒で株式会社ミツウロコに入社。
プロパンガスの営業、不動産リフォームに約10年携わり、仙台、埼玉で約500名の大家、約200社の不動産会社のサポートを行う。
その後、武蔵コーポレーション株式会社に転職。約1000件の賃貸管理、4500件のリフォーム提案を行い、賃貸管理、収益不動産のノウハウを学ぶ。
2014年、ハウスリンクマネジメント株式会社を設立、現在に至る。
長年の経験に裏打ちされた確かな提案が評判を呼び、所有物件の管理・運営について相談に訪れる投資家が後を絶たない。
主な著書に『不動産投資は「土地値物件」ではじめなさい』『人口減少時代を勝ち抜く 最強の賃貸経営バイブル』(共に幻冬舎メディアコンサルティング)がある。
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