写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏がフィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今週はフィリピン・不動産市場の最新動向について解説していきます。

フィリピン・住宅購入層のZ世代…土地高騰に懸念広がるが…

Z世代の39%が住宅所有を重要な懸念事項と考えています。リーチュー・プロパティ・コンサルタンツは、若い社会人が収入の大半を給与に依存する場合、頭金の確保とローンの継続的な支払いが課題になると指摘します。住宅購入の環境は数十年前と大きく異なり、以前はメトロ・マニラで家と土地を購入することが一般的でしたが、現在は土地価格の高騰により難しくなっています。

 

フィリピン中央銀行によると、新築住宅の平均評価額は2024年第3四半期時点で1平方メートルあたり86,417ペソで、2020年比31%の上昇となりました。都市部への人口集中が住宅需要を押し上げ、価格上昇を招いていると説明します。特に若い世代ではコンドミニアムへの関心が増えてます。

 

一方で、2024年第3四半期にはコンドミニアム価格が前年同期比9.4%下落し、2020年以来初めて全国の住宅価格が2.3%下落しました。これは市場の変化を反映しており、一部の専門家は現在の状況を「買い手市場」とみています。コリアーズのデータでは、メトロ・マニラのコンドミニアムの空室率が2024年に23.9%と過去最高を記録しました。これはPOGO関係の中国人労働者の減少が一因とされています。

 

それでも不動産市場の成長は続くとみられています。中央銀行によると、2024年第3四半期の不動産ローンは前年同期比7.9%増加し、不動産取得への関心が依然として強いことを示しています。デベロッパーは柔軟な支払い条件を提示し、若者向けにスタジオタイプや1ベッドルームの物件を増やしています。

 

また住宅購入の難しさについては、土地・建設コストの上昇、インフレ、労働コストの高騰が影響しており、給与の伸びよりも価格上昇のペースが速いことが指摘されています。政府が最低賃金の引き上げを検討しているものの、物価高騰に追いつかない状況です。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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