近年、肩上がりに増え続けているM&Aの件数
人材不足を補うのは大変です。特に製造業で熟練の技能工を育てるとなると、時間的にも労力的にもかなりの負担になりかねません。
そこで各企業が考えるのがM&Aです。M&Aであれば貴重な人材をすぐに手に入れることができて、即戦力として働いてもらうことができるからです。また、工場や設備なども一から準備するにはコストがかかりますが、その負担もありません。近年では事業を成功させるためにいかに速く事業展開できるかということが求められていますから、その点でも優れている方法です。
実際にM&Aの件数はリーマンショック後に一旦は下がったものの、その後また右肩上がりに増え続けています。大手製造業も経営戦略の一つとしてM&Aを捉えているところが増加しています。大手製造業なら生産能力の増強や多角化戦略のためにM&Aを検討することもあるでしょうし、中規模以上の製造業なら大手に負けまいと新たなシナジーを求めてM&Aを視野に入れることもあります。
中小製造業が抱える技能工などの人材に注目が集まる
こういった業界の動向を踏まえると、今後の先行き不安を抱えている中小製造業にとって、M&Aで譲渡するのに有利な市場環境が整ってきているともいえます。
多くの中小製造業は市場の変化や競争に翻弄されながら事業承継問題に苦心しているところも多いのですが、大手製造業や今後の事業拡大を考えている企業からしたら、技能工など貴重な人材を持っている、自社の成長をスピーディに促す可能性を秘めた存在なのです。
これこそが今、中小製造業にM&Aをお勧めする根拠です。売り時とも言える市場ですから、高い価値を認めてもらう可能性も格段に高いと言えるでしょう。