(※写真はイメージです/PIXTA)

会社員や公務員は給与から天引きされるため、年金保険料についてあまり意識することはありません。一方で自営業やフリーランスは、国民年金保険料を自分で納める必要があります。保険料を滞納すると、将来受け取れる年金が減額したり、受け取れなくなったりする可能性も。恐ろしいのは、日本の65歳以上の世帯のうち100万人以上が「年金ゼロ」という実態です。本記事では、佐々木夫妻(仮名)の事例とともに脱税と年金未納の代償について、波多FP事務所の代表ファイナンシャルプランナー・波多勇気氏が解説します。※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

 富裕層にも、富裕層を目指す人にも読んでほしい 
 〈ゴールドオンライン新書〉が登場! 

まさか家賃が払えなくなるなんて…“想定外”の老後破綻

「では、いまの生活状況をおきかせいただけますか?」

 

筆者が尋ねると、和子さんが苦笑いしました。

 

「正直、ギリギリです。貯金はもうほとんどなくて、生活費は全部、過去の資産を切り崩してる状態。でも、それももう限界で……」

 

特に深刻なのは、家賃の支払いでした。彼らは、長年家賃15万円のマンションに住んでいますが、家賃を払えない月が増え、現在では大家から退去を求められる状況に。

 

「年金がないから、頼れる収入がないんですよ。仕事もできる年齢じゃないし……」

 

彼らのように年金ゼロというケースは実は珍しくありません。厚生労働省のデータによると、日本の65歳以上の世帯のうち、約4〜5%(推定100万人以上)が年金ゼロの状態にあるのです。

 

【年金ゼロの理由】

1.国民年金未納(国民年金納付期間が10年未満)

2.確定申告で所得を低く申告し、免除を受けていた

3.「払わなくてもなんとかなる」と思っていたが、貯金が尽きた

4.老後の生活コストを甘く見積もっていた

 

「でも、生活保護を受ければなんとかなるんじゃ……?」

 

和子さんの言葉に、筆者は慎重に答えました。

 

「確かに生活保護の制度はありますが、貯金や資産が残っていると申請が通らない可能性があります。また、家賃が高すぎると、まず引っ越しを求められることもありますね」

 

彼らは、いまさら家を探して引っ越す余力もなく、八方塞がりの状態でした。

いまからできる老後対策

「いまさらですが、私たちになにかできることはありますか?」

 

一郎さんの問いに、筆者はいくつかの選択肢を提案しました。

 

1.公的支援を活用する

・生活保護:貯金をほぼゼロにすれば、支給される可能性がある。

・住居確保給付金:家賃を一時的に支援してもらえる制度。

・医療費助成:高齢者向けの医療費負担軽減制度を活用。

 

2.低コストの住まいに移る

・シニア向け公営住宅:自治体の低家賃住宅を探す。

・高齢者向け共同住宅:生活支援サービスがある施設へ。

 

3.働けるうちは小さく稼ぐ

・在宅ワーク(シニア向け):データ入力や軽作業で数万円の収入を確保。

・短時間のアルバイト:スーパーのレジ、清掃業務など。

 

「もし現役時代に戻れるなら、なにをしますか?」

 

筆者がそう尋ねると、一郎さんは静かに答えました。

 

「……やっぱり、年金は払っておくべきだったな」

 

和子さんも、ため息をついていいます。

 

「あと、収入があるうちに、老後のことをもっと考えておけばよかった。年金を払わないことが、こんなにリスクになるとは思わなかったから」

 

注目のセミナー情報

【海外不動産】3月26日(水)開催
マレーシア不動産投資で
キャピタルゲインを狙うビッグチャンス!
急成長期待で注目を浴びる都市「ジョホールバル」に誕生!ラグジュアリーホテルコンドミニアム

 

​​【国内不動産】3月26日(水)開催
「最新AI技術」×「45年の経験と実績」で勝てる土地を厳選!
全部おまかせで「実質利回り7%超」
「新築民泊投資」必勝法

次ページ「確定申告で所得を低く見せる」のは本当に得なのか?

※プライバシーのため、実際の事例内容を一部改変しています。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録