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エスカレートしていく息子
しばしば小遣いを要求する息子に、Aさんは「今後も散財すると貯蓄がなくなってしまう。あなたにも私が亡くなったあと、少しは蓄えがあったほうがいいでしょう? もう少し控えてもらえないだろうか」と懇願します。
すると息子は「自分のやりたい研究をするには必要経費なんだ。もう少し時間がほしい。親として援助してくれよ」と要求します。それで立ち直るのであればと、カードを渡し、決して無駄遣いをしないように約束させたAさん。息子の前途を願うあまりの行動でした。
偶数月の15日は年金支給日。散歩がてらに銀行に行き、記帳してみると……。Aさんは「なにかの間違えでは」と何度も通帳を確認します。2,000万円あった貯蓄はなんと半分に。約束していたにもかかわらず、Aさんのクレジット付きキャッシュカードがお金に糸目をつけることなく使い込まれていたことが判明します。
息子はカード決済を繰り返し、ときには100万円近くの買い物をしていることもありました。このままでは親子共倒れすることを危惧したAさんは、友人に相談します。
母からの制裁
Aさんは息子が定職につかず自分の財布を我がもの顔で使い続けることに困り果て、友人の助言のもと、行動に移ります。
ある日、息子はネットで買い物しようとした際、クレジットカードが使えなくなっていたことに気づきます。有効期限もあるのにおかしいと思いつつ、母に話すとまた口うるさいことをいわれるからと、思い切って銀行に電話して聞いてみることに。
すると、電話口の銀行員から「心苦しいですが、ご対応できません。ご本人様がご来店ください」といわれます。実は母が銀行側にはキャッシュカードを紛失したといって、止めてしまったのです。
さらに帰宅し、パソコンを立ち上げたところ、インターネットにもつながりません。「どうしたんだろう」焦った息子が通信会社に連絡すると、「お客様の都合によりしばらく停止しています。再開するにはご本人様からご連絡いただくことになっています」との回答が。
引きこもっている息子は、インターネットが使えないのではなにもできません。緊急事態に陥った息子は重い腰をあげ、母と話をすることにします。

