司法書士試験にトライしたものの…
しかし、宅建の資格は取っても、実務経験がなにもなかった私には独立開業はできず、どこかに勤めるしかありませんでした。毎日朝8時からオフィスに行って仕事というのは、朝起きられない自分にはきついので、どうにかして独立開業しようと思い、司法書士試験も受けることにしました。
司法書士試験は半端な気持ちでは合格できないと思い、退路を断ちました。お店も辞め、キャバ嬢には戻らない覚悟で、ブランド物やドレスをすべて捨てたり売ったりして、エルメスのバーキンを買おうと思っていたお金で予備校に行くことにしました。
水商売時代の人間関係もすっぱり絶ち、朝から晩まで、本当にストイックに勉強に集中していました。運動不足で太るといけないと思い、ダイエットもしていました。勉強時間は合計6,300時間、体重も最後は40kgを切っていました。
水商売時代の人間関係は断ちましたが、唯一、店が終わったあとに車で送り迎えをしてくれる送り屋さんだけとはつながり、ときどきドライブに連れて行ってもらっていました。
司法書士試験には2回落ちました。3回目を受ける前、「司法書士試験にまた落ちたらどうするの? 行政書士試験は簡単だといっていたんだから、受けてみなよ」と、その送り屋さんにいわれました。それで行政書士試験を受けてみたところ、ギリギリで合格できたのです。司法書士試験は3回目も不合格だったので、本当に、行政書士試験が私を救ってくれました。
行政書士としていきなり独立開業
一般的に、行政書士の資格を持っているだけで稼げている人は少ないといわれているのですが、当時の私は、その辺をまったく考えていませんでした。
持っているのは行政書士の資格だけ。事務作業なども一切できなかった私を雇ってくれる事務所などどこにもありません。そのため、未経験のまま独立しました。
行政書士の登録費用もなかったので、例の送り屋さんに30万円を借りて、令和元年(2019年)12月、行政書士登録をしました。
開業後、許認可のサポートをするには経営者と知り合う必要があると考えた私は、経営者の会合に出るようになりました。当時、33、34歳で経験もありませんでしたが、経営者の集まりに出席し続けるうちに飲みに誘われたりして、仕事をもらえるようになってきました。
年が明け、2020年になってからは、コロナの影響で持続化給付金の申請の仕事を大量に受けるようになり、給付金申請を中心に、補助金や許認可などの仕事も入ってくるようになりました。1年目の年商が750万円、2年目の年商が3,400万円でした。行政書士としていい線をいっていると思います。
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