ベロベロで朝帰り、父親から放たれた「強烈なひとこと」で覚醒
26歳になったころ、母が病気になって実家に戻りましたが、キャバクラ勤めは続けていました。ある日、いつものようにベロベロになって朝帰りして、家で転がっていたところ、以前から仲の悪かった父から、
「お前は、毎日ベロベロで生きている価値がないな」
と、吐き捨てるようにいわれました。その言葉に、雷に打たれたようなショックを受けたのです。
私はずっとモラハラ気質の父に虐げられてきた。そして、いまの私にはなにもない。でも父のそのひとことで「なにもないなら、いまからなにかを作っていけばいいじゃないか」と気づき、目の前が一気に晴れ渡った気がしたのです。
父は宅建と行政書士の資格を持っていたので、自分も資格を取ろう、そうすれば水商売を辞めても食べていけるだろうと思い、その日の昼、書店に行って宅建の本を買いました。
4カ月の勉強で合格した宅建
最初のころは、入門書を2、3ページ読むのが限界でした。学校にもろくに行かず、水商売に明け暮れて本を読むことがなかったのですから当然です。そこで、宅建の試験が4カ月後にあることから、試験という目標から逆算してスケジュールを立て、1日に読むページ数を決め、それを1週間くらい続けたらペースができ始めました。
そして、宅建の勉強を始めたことをFacebookに書き込んだところ、高校時代の友人も宅建の勉強をしていることがわかり、一緒に勉強するようになりました。
このころには「1カ月前にできなかったことができるようになった!」というように、日々、勉強を楽しめるようになってきました。そのおかげで、4カ月の勉強で平成27年(2015年)の宅建試験に合格することができました。

