配偶者の特例を適用すれば
配偶者は財産の半分まで、あるいは1億6,000万円まで無税という特例があります。これを適用することで、相続税の申告をするが納税は不要という枠に入ります。
今回、名義預金が父親の財産として申告をし、名義は違いますが、母親の財産として相続することは可能です。母親の相続の時に改めて名義の姉が相続するという順番です。
母親が節税対策できるか?
母親は80代。まだ、自宅で生活ができて、元気だということですが、認知症を発症したり、体調が急変したりすることがあるかもしれません。父親の相続税の申告を同時期に母親の対策も進めることが必要です。
不動産は祥子さんと姉名義としたほうが登記の手間が省けます。次に、金融資産をどの程度、母親にするのか、検討して決めることもアドバイスしました。
これから相続税の申告の準備
祥子さんは仕事をリタイヤして余裕があるといいます。姉も両親二人の介護から母親だけになったので、少し余裕が出てきたといいます。
自分たちで遺産分割協議をして、相続税の申告書を作成、提出することもできることではありますが、間違いがあると指摘、追徴されることや名義預金の扱いなど慎重にしたほうがよいことを説明し、当社と税理士法人がサポートすることになりました。
申告期限まではまだ余裕がありますが、次で困ることがないよう、情報共有しながら進めていくことで祥子さん姉妹は少し肩の荷を下ろされたようです。
相続実務士のアドバイス
●できる対策
・名義預金は隠さずに申告をしてしまう
・税務調査にならない申告をすることで不安を抱えることがない
・配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例で相続税の納税は減らせる
●注意ポイント
・母親の意思確認ができるうちに、二次相続の節税対策をする必要があります。
・父親の相続税申告の時に次のことも決めて進めましょう。
曽根 惠子
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
相続実務士®
株式会社夢相続 代表取締役
◆相続対策専門士とは?◆
公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp)認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。
「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。
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