(※写真はイメージです/PIXTA)

数あるタスクをこなしていくために、時間のコントロールは必須です。日々時間に追われながらも億を稼ぐ富裕層は、1人1人時間の使い方を工夫しているものです。「緊急性」と「重要性」を軸にタスクを分類することによって戦略的な時間の使い方を実現しています。本記事では、田中渓氏の著書『億までの人 億からの人 ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド』(徳間書店)より一部抜粋・再編集し、富裕層に学ぶ上手な時間の使い方と時間を捻出するコツについて詳しく解説します。

脳機能を超えて「緊急性(高)×重要性(高)」を行う工夫

Reticular Activating System(脳幹網様体賦活系)という脳機能があります。世の中には五感に訴えかける情報の量が凄まじく、それをすべて受け止めていたら、あっという間に脳がキャパシティオーバーしてしまうため、それを制御するためのフィルターのようなシステムです。このシステムは、自分の興味や関心のある情報だけを無意識に取捨選択し、インプットする能力、ともいえます。

 

無意識にフィルターで落とされてしまう事柄に対して、このシステムを有効化させるためには、第三者である他人から意識にあげてもらうことと、自分自身がそのことを重要だと脳に刷り込ませること、の2つがあります。だからこそ自分にとっての、緊急性(低)×重要度(高)にあたるものが何なのか、しっかり整理をしたうえで、自分の意識に入るようにしておく必要があります。

 

また、他者の力を借りるために、共通の目的を持つもの同士でつながったり、SNSアプリのコミュニティ機能を利用したりして、お互いに影響を及ぼし合うことが大切なのです。

 

「緊急性(低)×重要性(高)」にどれだけ時間を割けるかによって、人生の豊かさが変わってくると思います。

「時間がない」をやめられるコツ

「時間がない」をやめるコツとして、効果を実感しやすいのは次の2つです。

 

ひとつは、「引越し」です。出社が必要な会社員なら会社の近くに引越してはいかがでしょう。「家賃が高くなる」「生活費の負担が増える」と思うかもしれませんが、お金で買えない時間を確保する方法としては効果が大きく、重要ではないでしょうか。

 

通勤に片道1時間かかる場合、その時間を有意義に使うことができればそれもいいかもしれません。2時間×週5日×年間52週間=520時間という莫大な時間を捻出できるからです。ただ電車のダイヤや天候に左右されマインドシェアをとられたり、乗り換えなどの手間暇を考えたりすると、意外と有効に使えていないものです。

 

もしその年間520時間の通勤時間を漫然とネットサーフィンをしていたりマンガやゲームをしていたりするだけなら、引越しすることで自分の時間をつくり出すことができるはずです。2年で1,000時間以上の時間になるので、それなりの難易度の資格試験をとるにも、新しい分野の勉強や技術習得をするにも十分な時間です。

 

月額10万円家賃がアップして年間120万円の家計負担になったとしても、その時間を学習に充てると決めて実行できれば、年収を120万円以上アップさせることはそんなに難しいことだとは思いません。

 

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次ページ時間をつくりだすコツとは?

※本連載は、田中渓氏の著書『億までの人 億からの人 ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド』(徳間書店)より一部を抜粋・再編集したものです。

億までの人 億からの人 ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド

億までの人 億からの人 ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド

田中 渓

徳間書店

2008年に起きた世界規模の金融危機、いわゆるリーマンショックは、ゴールドマン・サックスに入社してまだ1年しかたっていない僕にとって足元が揺らぐほど信じがたい出来事でした。金融業界はもちろん、世界中の名だたる企業も…

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