ついに開いた父の貸金庫
ついに貸金庫を開けた郷さん。そこには、首都圏にある土地の権利書が保管されていました。坪数は30坪と小さな土地ですが、道路に面しており、非常に立地のよい1億円以上の価値のある土地でした。父と腹違いの兄とのあいだにどんな過去があったのかはいまとなってはわかりません。
しかしこのような結果を鑑みるに、もしかすると父は、土地の価値が将来的に上昇することを見越していた可能性もあります。自分が亡くなってから相続させるほうが、より多くの遺産を子供たちに残せると考えていたのか……。亡くなった父に確認することはできませんが、認知症が進んで我が子すら認識できなくなっても資産を守り抜いた父を思うと胸が熱くなりました。
父が遺した予想外の資産に喜んだ郷さん。もともとないものだと思っていただけに、姉や5人の子供たちと争うこともなく、協議はスムーズに進みました。ほかの資産も含め、均等にわけ合うことで話はまとまります。
貸金庫を開けるまでに3ヵ月もの月日と調査費用を要したものの、郷さんは父の思わぬ遺産に感謝の気持ちを抱きました。
貸金庫のメリット・デメリット
貸金庫は、土地の権利書などを確実に保管しておくことができるといったメリットがあります。
一方で、昨今話題になった銀行員による貸金庫の中身の窃盗事件や、相続にまつわる場合には問題が起きるケースもあります。また今回の事例のように、相続人同士が連絡を取りにくく、多大な労力や調査費用が発生するだけでなく、法定相続人の特定に時間がかかると、遺産分割協議が遅れ、時価が下がるリスクも潜在しています。
さらに、土地のまま保有していると、一度名義変更してから売却するなどの手間も発生します。買取り先の不動産会社によって買い取り価格も大きな差が出るため、生前に信頼できる不動産会社に売却し現金化することで、貸金庫の利用料を支払う必要がなくなる場合があります。
このようなリスクを避けるためには、事前にほかの相続人の存在や連絡先を子供たちに共有し、遺言書を遺しておくことが重要です。
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