ドロップシッピング詐欺の手口と被害の実態
ネットショップ経営を始めたAさんが被害にあったのは「ドロップシッピング詐欺」といわれるものでした。「ドロップシッピング詐欺」は、在庫を持たずに商品を販売するビジネスモデルの1つであるドロップシッピングの仕組みのわかりづらさをついたSNS型詐欺の1つです。
一般的なネットショップでは、店舗側(ネットショップ)はメーカーや卸問屋に商品を発注して、代金を支払い、在庫を持ち販売しますが、ドロップシッピングでは店舗側は在庫を持たず、手間もかかりません。顧客からの注文を受けるとシステムを使ってメーカーや卸問屋などサプライヤーに発注がなされ、商品はサプライヤーから直接顧客に発送されます。店舗側はセールスに注力でき、販売価格と卸売価格の差額が利益となります。
ドロップシッピング詐欺の手口では、さまざまなケースがあるものの、以下のような特徴が見られます。
・何度も入金が必要になる(例.仕入れ代金、保証料、立て替え払いなど)
・他人名義口座への入金を求められる
・利益を簡単に出せる
ネットショッピングにも共通しますが、他人名義の口座への入金を求められたら、その時点で疑うべきです。また、本来のドロップシッピングであれば、販売店側には立て替え払いは発生しませんし、競合が多く、卸売価格にマージンを上乗せして売るため、利益を出しづらいという特徴があります。冷静に考えればおかしいと思うことが、わかりにくい仕組みをついていることで、うやむやにされています。
SNS型詐欺の被害は近年増えてきています。警察庁の資料によれば、SNS詐欺のうち、SNS型投資・SNS型ロマンス詐欺の令和6年の認知件数はいずれも大きく増えており、被害額は倍増しています。
令和5年1月から令和6年11月までの被害発生状況の推移 出所:警察庁「SNS型投資・SNS型ロマンス詐欺の被害発生状況(R5.1~R6.11)」
令和5年1月から令和6年11月までの被害発生状況の推移 出所:警察庁「SNS型投資・SNS型ロマンス詐欺の被害発生状況(R5.1~R6.11)」
今回のAさんの事例はSNS型ロマンス詐欺といえそうですが、どちらの詐欺も、男女とも50代・60代が約半数を占めているのが特徴で、シニア世代が多く被害にあっています。
シニア世代は老後生活への不安を抱え、退職後に孤独感を抱えやすい一方、まとまった退職金を受け取る人が多いため、詐欺に巻き込まれやすいです。SNSを通じた詐欺はさらに、インターネットの便利さとマッチング率の高さを悪用して高額の資金を奪います。被害を防ぐためには、詐欺の手口を知り、感情に流されない冷静な判断が必要となります。
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