定年後は息子と別居することを選択
真理さんは夫と話し合い、夫が定年したタイミングで真理さんの実家の近くに引っ越すことにしました。今も借家住まいですが都内に暮らしているため、このままでは家賃の支払いが負担になることは明らかです。今後夫の収入が下がるならいっそ真理さんの実家がある熊本に引っ越し、親の介護をしながら生活しようと考えたのです。
親と同居することも考えたのですが、夫の収入が安定するまでは逆に親に負担をかけることにつながります。真理さんはそれだけは避けたいと思ったのでした。
真理さんの実家は戸建てですが、造りもしっかりしており、両親が亡くなったあとは夫婦でその家で暮らそうと思っています。
真理さんはこのタイミングで息子に自立を考えさせました。つまり、「お父さんの定年後は夫婦2人で田舎に帰る。けれどあなたは自分で働き、私たちと離れて生活しなさい。仕送りも一切しない。」と伝えたのです。
最初は「母ちゃん、本気?」と戸惑っていた息子も時間をかけて考え、納得した様子です。
再就職に向けた就職活動
息子は今アルバイトをしながら、再就職に向けて動いています。3ヶ月で辞めてしまったという経緯があるため、なかなか採用してくれるところはありませんが、それも自業自得と言い聞かせています。
考えてみれば今までが甘すぎたのかもしれません。もちろん大事な息子ですので、心配する気持ちはいつでもあります。しかし、自分も子離れしなければならないと改めて感じ、行動に移したのでした。
このように、あることがきっかけで自立する子もいます。特に親と住んでいるうちはそれに甘えてしまう傾向が強いですが、住む家や生活費など経済的な支援がなくなると自立するしかありません。
こどもを自立させるには、親として子どもと正面から向き合う姿勢が大切です。いつまでも安定した生活が続くとは限らないことは誰にも当てはまることです。それがきちんと息子に伝わればと思うばかりです。
新井智美
トータルマネーコンサルタント
CFP
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