税務署は容赦なし…亡き父の想いを“一刀両断”
それから2年ほど経ったある日、Aさんのもとに税務署から連絡が入りました。聞けば「相続税調査に伺いたい」とのこと。
「どうしてうちに? 税務調査って、もっとお金を持っている富裕層や怪しい会社の社長が受けるやつだろ? 相続税の申告だってきちんと済ませたはずだし……」
疑問に思ったAさんでしたが、断る理由は特にありません。「なんだかドラマみたいだな」と少しだけワクワクしながら、素直に了承しました。
庶民をいじめて楽しいですか?…Aさんが思わず嫌みを吐いた調査官の“言い分”
そして調査当日。Aさんのもとに2人の税務調査官が来訪しました。和やかな雑談から始まり、徐々に警戒心もほぐれてきたころ、調査官はAさんに次のように尋ねます。
調査官「このお孫さん名義の通帳はなんでしょうか?」
Aさん「あぁ、これはですね……父が生前、私の娘のためにお金を貯めてくれていたみたいなんですよ。毎年110万円ずつ、生前贈与として貯めてくれていました。大学進学時や結婚時に使ってほしいそうで、このお金は父の意向どおり、ありがたく使わせてもらおうと思っています」
調査官「なんと、それは素晴らしいお父さまですね。では、娘さんもこの通帳の存在は知っていて、自由に引き出せる状況ということでしょうか?」
Aさん「いやいや、娘はまだ高校生ですよ? こんな大金があるなんて知ったら道を踏み外してしまうかもしれない。いまは私がきちんと管理しています」
調査官「……なるほど。んん、そういうことであれば、残念ながらこの通帳はお父さまの『名義預金』となるため、課税対象となってしまいますね」
Aさん「は? いやいや、え。なんで? 生前贈与は毎年110万円までなら非課税なんですよね?」
1ミリも納得できないAさんでしたが、結果は覆りません。今回の相続税調査によって、相続税本税と加算税を含めて300万円もの追徴税を課されることに。Aさんの年収は480万円ですから、年収の6割以上を納めなければいけない計算です。
「300万円!? 冗談だろ? 俺はなにもしていないのに、ふざけんなよ……。ねえ税務署さん、政治家たちは見逃してあげるのに、私たちみたいな庶民をイジメて楽しいですか?」
途方に暮れたAさんは、泣く泣く投資信託を解約して納税にあてたのでした。
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