いまやギャンブルの枠を超え、多くの人々を魅了する競馬。その華やかな舞台で躍動する競走馬たちを支えるのは、数多くのプロフェッショナルたちです。そのなかでも、馬を安全かつ確実にレース地まで送り届ける「馬匹(ばひつ)輸送」という仕事は、縁の下の力持ちとして重要な役割を担っています。本稿では、白川典人氏の『バックステージの走者 競走馬を運ぶプロフェッショナルの使命』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集し、競馬と馬匹輸送の歴史についてご紹介します。

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競馬は四半世紀で100倍規模に成長

JRAの発足当初から、すでに競馬は全国で行われ、その規模は広がり始めていました。JRAの資料によると、1954年のレース開催日は208日、レース数は2120回でした。また、競馬が全国に広がったことで競走馬の移動ニーズが大きくなっていきました。当時の馬匹輸送は主に貨物列車で行われていました。貨車1両に4頭の馬を積み込み、それぞれを仕切りで分けて、エサや水の桶を置いていたそうです。

 

一方で、1970年代に入ると車が普及するとともに交通網が整備されたこともあって、トラックを改造した馬運車による道路輸送へと切り替わっていきます。この頃には年間のレース数も3000回を超えるようになり、その需要を受けて、個人事業者も含む馬匹輸送の会社が増えていきました。

 

私たちの会社の創業もこの時期で、1969年11月、今の私たちの本社がある北海道の日高で、天沼隆治郎が事業を興しました。北海道は当時から競走馬の生産が盛んで、そのような地の利を活かし、馬運車による長距離輸送の事業を拡大させていくことになったのです。

 

馬の輸送手段が整うことで、競馬はさらに活性化していきます。競馬の売上金額を表す売得金(勝馬投票券の発売金から返還金を引いた金額)を見てみると、JRA発足当初の1954年は約112億円でした。

 

この頃から国内が高度経済成長期に入ったこともあって、売得金の金額は66年に10倍の約1,200億円、78年には54年比で100倍の約1兆1,000億円に増えています。その後も金額は増え続け、88年に2兆円、90年に3兆円を超え、97年には過去最高の4兆円台に到達しました。

 

それから2010年頃までは2兆円台に減りますが、現在は再び増加傾向にあり、直近では3.2兆円規模になっています。3兆円産業は金額が大きくイメージしにくいかもしれませんが、同規模の産業は、国内のアニメ、国内のゲーム、美容、ホテル、ネット広告などです。

 

現在は、JRAでは全国10カ所の競馬場で年間288日、1日最大12レースを実施しています。ファンも増えています。レジャー白書によると、競馬をする人(参加率)は日本人全体の8.2%です。参加度合いの濃淡はありますが、単純計算で900万人以上が競馬を楽しんでいます。これは公営ギャンブルでは圧倒的に多く、例えば、競輪の参加率は2.1%、ボートレースは2.2%、オートレースは0.8%ほどです。

 

参加率が高い理由としては、根強い固定ファンがいるとともに、近年はオンラインによる馬券の購入が普及していることも挙げられます。ネット投票会員数(2022年)は約600万人で、売得金の3.2兆円のうちの85%を占める2兆8,000億円が電話やインターネット経由です。

 

オンライン環境が整っているため、競馬はコロナ禍の影響もほとんど受けていません。競馬場への来場者は2020年から大幅に減りましたが、売得金額はコロナ禍でも伸びています。

 

また、近年は若い層や女性の競馬ファンも増えています。これはJRAが若者に訴求するプロモーションに力を入れていることの影響が大きいといえます。世の中でも、アイドルグループのメンバーが競馬番組に出演したり、「ウマ娘 プリティーダービー」などの競馬ゲームがヒットしたりしたことも若い層が競馬に興味を持つきっかけになっています。

 

[図表]各種目の参加率・年間平均活動回数・年間平均費用・希望率娯楽部門

[図表]各種目の参加率・年間平均活動回数・年間平均費用・希望率娯楽部門 出典:公益財団法人日本生産性本部「レジャー白書2023」(速報版)

 

 

白川 典人

大江運送株式会社

代表取締役

 

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※本連載は、白川典人氏の著書『バックステージの走者 競走馬を運ぶプロフェッショナルの使命』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです。

バックステージの走者 競走馬を運ぶプロフェッショナルの使命

バックステージの走者 競走馬を運ぶプロフェッショナルの使命

白川 典人

幻冬舎メディアコンサルティング

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