REITが向いている人とは?
エミン:不動産銘柄は、いったん火がつくと猛烈に上昇する傾向があります。要はアップサイドが大きく、小型株だと10倍20倍になる銘柄も結構あるんですよ。なんらかの都市開発につながるようなイベントなどをきっかけに吹き上がることが多いかな。
木原:僕は不動産セクターの中から、安定して業績が伸びている割安銘柄で、なおかつ物件の回転が速い銘柄を選んで投資しています。本来は早く売るほど利益率は下がるんですが、時間当たりの利益率を重視する感覚ですね。早く売却する方が保有中のリスクも減らせますし。
不動産セクターの中にはPSRが低い薄利多売な企業もあって、市況が悪いときは相当ダメージを食らいそうなところが難点ではありますが、そのときに逃げれば問題ないでしょう。個人投資家は都合のいいときだけ投資できるのが強みですから。
エミン:大きな上昇は期待できないけれど、安定的な利回りを期待するならREIT(投資家から集めたお金を不動産に投資し、賃貸収入や売却益を投資家に分配する不動産投資信託)でもいいですね。私は証券会社時代にREITのPO(公募・売出)やIPO(新規公開)を手掛けていました。
REITに投資する際は、その投資法人が保有する物件を実際に見に行くといいですよ。開示されているデータだけではわからないことが、現場に行けばわかることがありますから。
最初は見に行ってもピンとこないかもしれないけれど、何件か見てその物件の雰囲気や出入りしている人の様子を見ていくうちに、その善し悪しやどの程度の収益力がありそうかがわかるようになってきます。感覚でしかないところもありますが、それも重要なんです。
木原:僕はREITの数%の配当じゃ全然満足できませんけどね。賃貸するより回転してくれた方が圧倒的に儲かりますし、それをプロがやっているんですから積極的に便乗すればいい。むしろREITはこういう不動産企業にとっての販売先になるわけで、高く売りつけられる側です。そちら側には、あまりいたくないですね。
ただそれでも、現金で持っているのに比べたらREITの方が圧倒的に有利でしょうし、不動産市況が悪化したときでもダメージは不動産株より小さいと思うので、リスクを抑えたい人にはいいと思います。
そもそもリスク資産への投資に抵抗があるような人でも、不動産を持って賃貸収入があったらいいなという思いはあるでしょうから、そういう人にも向いているんでしょうね。
エミン:木原さんみたいに成長株で儲けたい人には向かないけれど、数%の利回りを求める人には悪くない投資対象です。なによりビジネスが極めてシンプルだし、保有物件が公開されていて見に行くことができるから、個人投資家にも投資判断がしやすいと思います。
エミン・ユルマズ
エコノミスト、為替ストラテジスト
木原 直哉
プロポーカープレーヤー
※本記事は『「確率思考」で市場を制する最強の投資術』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。記載内容は当時のものであり、また、投資の結果等に編集部は一切の責任を負いません。
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