多くの人が抱える「薄毛」という悩み。そんな悩みに付け込む薄毛ビジネスの問題点から、発毛のメカニズムの基本と、薄毛になってしまう原因について、毛髪医療の第一線で活躍している医師が徹底的に解説をします。

薄毛は中高年の男性だけの悩みではない

現在、日本では薄毛に悩む人が増えています。

薄毛というと男性の問題と思われがちですが、最近では薄毛に悩む女性も決して少なくありません。

 

さらに、薄毛の悩みは年齢も問いません。中高年はもちろんのこと、この頃は20~30代など若い年齢層でも薄毛を自覚する人が増加しているようです。実際、私のクリニックにも、若い相談者の方の来院が増えています。

 

また、薄毛に悩む方々の多くが誰にも相談できず、密かに、孤独に、進行する薄毛におびえているのも事実であり問題です。深刻な悩みと向き合っているだけでも辛いというのに、それを誰にも言えずに一人で抱え込むのは、あまりにも苦しいことです。しかしながら、薄毛の悩みはそれほどにデリケート。なかなか人に言いづらい問題であるということです。

 

人が自分の薄毛に気づく瞬間はさまざまです。しかし、特に、鏡に映った自分を見たときや、シャンプーをしたときなどに「ハッとした」「ギョッとした」ということが多いようです。普段人は自分自身をだいたい同じ角度でしか見ないことも多いうえ、薄毛に何となく気づきながらも見ないふりをしているせいもあるかもしれません。それがある日、ある瞬間、頭部の現実を目の当たりにし、愕然とすることが少なくないのです。

「抜け毛=薄毛のサイン」とは限らない

ただし、このとき一つ、注意していただきたいことがあります。

それは「お風呂場の排水溝の抜け毛を見て、その多さに薄毛が心配になった」という場合です。なぜなら、実はこれが、ある“落とし穴”になることが多いからです。

 

薄毛に関する宣伝広告などでは、よく「排水溝の抜け毛」が薄毛の危険信号であるかのように喧伝されているようです。それをたびたび聞くことで「排水溝の抜け毛=薄毛のサイン」とすり込まれてしまっていることが多いのではないでしょうか。

 

しかしながら、抜け毛は自然で、当たり前のことです。決して異常なことではありません。決して“抜け毛”の延長線上に“薄毛”があるわけではないのです。

本連載は、2016年9月9日刊行の書籍『薄毛 「自毛主義」のすすめ』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

薄毛革命 「自毛主義」のすすめ

薄毛革命 「自毛主義」のすすめ

音田 正光

幻冬舎メディアコンサルティング

髪が抜けて少なくなる、頭頂部が薄くなる――これは男性にとって古今東西、永遠のテーマといえる苦しみであり、さらに昨今は女性にも薄毛の悩みを抱える人が増えています。 本書では、さまざまな治療法を試しては失望してきた…

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