前回は、AGAかどうかを判断する基準についてお伝えしました。今回は、現在の技術では、AGAを完全に防ぐことが難しいという現実をお伝えします。

AGAを完全に予防することは、現時点では不可能

ここまで、AGAのメカニズムに始まり、その分類や診断など、AGAの基礎知識のあらましをお話ししました。すると、こんな声が聞こえてきそうな気がします。

 

「遺伝子レベルの話では、薄毛なんか防げないじゃないか。自分の力ではどうにもならないじゃないか!」

 

そんなふうに思われる方が多いかもしれません。確かにその通りです。

 

AGAについては遺伝子レベルで起こることであるうえ、現代の科学や医療ではまだ解明されていないことも多く、AGAによる薄毛自体を根絶することは現時点では不可能です。

 

ただし、ここでもう一つ、気がついていただきたいことがあります。

 

それは、AGAが遺伝子レベルで始まる問題なのであれば、現在の育毛・発毛・増毛などと呼ばれる治療法には役に立たないものも少なくないということです。

 

たとえば、育毛ができると宣伝されるシャンプーやトリートメント。髪に良いとされるヘッドスパやマッサージ。飲めば効くと喧伝される育毛サプリ……。

 

はっきり言って、これらに医学的根拠はなく、AGAに効いたり、育毛に役立ったりすることはありません。

 

連載の前半でもお話ししましたが、AGAの本質を知ると、これらの方法では薄毛の悩みを決して解消できないことが、改めてよくわかると思います。

心身を健やかに保つことは髪のためにも良いが・・・

そのほかにも薄毛を防ぎ、髪に良い効果があるといわれていることは、いろいろあります。

 

バランスのいい食生活、睡眠をしっかり取ること、できるだけストレスのない生活を送ること、などです。

 

これらはもちろん大切な生活習慣です。こうしたことを大事にしていれば、心身ともに健康でいられるでしょう。そんな心身の健やかさは髪のためにも良いはずです。しかし、だからといって、これだけでAGAを防いだり、食い止めたりすることはできません。それはAGAのメカニズムを踏まえれば、当然のことです。

本連載は、2016年9月9日刊行の書籍『薄毛 「自毛主義」のすすめ』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

薄毛革命 「自毛主義」のすすめ

薄毛革命 「自毛主義」のすすめ

音田 正光

幻冬舎メディアコンサルティング

髪が抜けて少なくなる、頭頂部が薄くなる――これは男性にとって古今東西、永遠のテーマといえる苦しみであり、さらに昨今は女性にも薄毛の悩みを抱える人が増えています。 本書では、さまざまな治療法を試しては失望してきた…

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