(※写真はイメージです/PIXTA)

退職所得控除は、退職金にかかる税負担を軽減するための重要な制度です。iDeCoの一時金を受け取る場合は、退職金との受取時期を考慮することで、税制上のメリットを最大限に活かすことができます。しかし、度々ルールが改正されていて……。本記事では、Aさんの事例とともにiDeCoルールの変更による受給額への影響について、FPの牧元拓也氏が解説します。

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iDeCoの改正による注意点

iDeCoの改正における受取時の注意点について解説します。

 

iDeCoの主な改正点

・2024年12月:確定給付型の他制度を併用する場合(公務員を含む)のiDeCoの拠出限度額が1万2,000円から2万円に引き上げられました。

 

・2026年1月:企業型確定拠出年金(DC)や個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)の一時金を退職金よりも先に受け取る場合に、控除を縮小する期間を現在の5年未満から10年未満に延長する予定

 

・時期未定:iDeCoの加入年齢の上限を70歳未満まで延ばし、拠出限度額も下記のように変更となる予定

 

第1号被保険者(個人事業主・フリーランスなど)は6万5,000円→7万5,000円

 

企業年金に加入している会社員は月額2万円→6万2,000円からDB・企業型DCの掛金額を引いた額がiDeCoの掛金上限

 

企業年金に加入していない会社員は月額2万3,000円→6万2,000円

 

今回特に注目したいのは、2026年1月に改正が予定されている控除の縮小についてです。現在、iDeCoと企業退職金を別々に受け取る場合、受取時期によって控除の適用に制限が設けられています。

 

A:iDeCoを先に受け取り、退職金をあとに受け取る場合

受取りの間隔が5年以上の場合は、どちらにも拠出機関や在職期間に応じて退職所得控除を受けることができるため、税金を抑える効果があります。

 

B:iDeCoと退職金を同じ年に受け取る場合

同じ年で退職所得控除を2回適用することはできません。そのため、金額によっては控除を受けられない部分が生じることがあります。

 

C:退職金を先に受け取り、iDeCoをあとに受け取った場合

退職金には退職所得控除を使用することができますが、そこから20年未満でiDeCoを受け取る場合は満額控除を受けられません。iDeCoの拠出期間と在職期間で重複している期間は退職所得控除の計算上差し引かれます。

 

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