すでに三日坊主で終わってしまった…企業経営支援で活用している、「新年の目標」を達成するための“3つの技術”

すでに三日坊主で終わってしまった…企業経営支援で活用している、「新年の目標」を達成するための“3つの技術”
(※写真はイメージです/PIXTA)

新年を迎え、目標を立てたものの、気づけば三日坊主で終わってしまった経験はありませんか? 「意志が弱い」と自分を責めがちですが、実は目標を継続するためには技術的なアプローチが有効です。本稿では、社員50名の新聞販売店を23年間経営し、多くの企業を支援してきた米澤晋也氏が、企業経営支援で活用している、三日坊主を防ぎ、目標を達成へと導く3つの実践的な技を紹介します。

葬儀会社での事例……震災後の心のケアとしての「位牌」

事例として、葬儀会社を経営する社長から聞いたエピソードを紹介したいと思います。

 

大震災が起きると、ご遺体が見つからない犠牲者が出ます。ご遺族の中には、ご遺体と対面できないために、気持ちに区切りをつけることができず、ずっと苦しむ人がいると言います。

 

同社では、東日本大震災の際、そんな方々のために「せめて位牌だけでも」と無償で提供したところ、多くの人が別れを受け入れることができたと言います。「位牌を受け取る」という行為が、これまでの日常を終わらせる「終焉のセレモニー」の役割を果たしたということです。

 

セレモニーは立派なものである必要はありませんが、インパクトが必要です。「遠山の金さん」は、物語の終わりに「これにて一件落着」と言いますが、あのフレーズを聞くと事件が終わったことがマインドセットされ、翌週の視聴に意識を切り替えることができます。

 

企業では、新しい経営計画書を作る際に、「お疲れ様でした!」の掛け声とともに、以前の計画書を破り捨てるといったアイデアがあります。

 

企業で「終焉→中立圏→開始」をスムーズに行うためには、スケジュールに工夫が要ります。

 

経営者は次期の計画を立てる段階でセレモニーが必要で、社員はその計画を実行する直前にセレモニーが必要という、タイムラグがあるからです。

 

例えば、新年度が始まる前までの期間に、経営者がまず「終焉→中立圏→終焉のセレモニー」のプロセスを踏み、心機一転して次期の経営計画を立案します。そして、年度終わりに打ち上げを行い、そこでインパクトあるセレモニーを行い、社員のマインドセットを行うというスケジュールが考えられます。

 

個人が新年の目標を立てる場合は、12月に入ったら終焉→中立圏のプロセスに入り、大晦日にセレモニーを行い、新年に計を立てると良いでしょう。

2.計画は細かく作りすぎない

最近、「PdCa」という言葉を知りました。「PDCA」が原型ですが、PとCは大文字、dとaは小文字で書かれています。

 

要するに、Pan(計画)とCheck(チェック)はしっかりやるが、Do(行動)とAct(改善・対応)は弱いという、考えてばかりで行動しない、頭でっかちな日本企業の問題点を指摘した造語です。

 

計画を細かく作りすぎると、かえって足かせになることがあります。

 

特に現代は、外部環境の変化が激しいので、計画通りに事が進むことは稀です。このような状況下で綿密な計画に依存すると、計画の修正に時間と労力を奪われ、気づけば「年がら年中計画ばかり立てていた」ということになってしまいます。

 

スタンフォード大学教授のキャスリーン・アイゼンハート氏は、世界中のコンピューターメーカーを調査し、最もイノベーティブな成果を上げた組織の特徴として、計画段階にかける時間が少なく、実施段階における時間が多いことを明らかにしました。

 

計画は、まずは大まかなものを立て、できるだけ早く実行に移すことが大切です。行動の結果を振り返り改善する「やっては直す」の繰り返しで計画の精度が高まっていくのです。

 

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