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知識を教えるだけではない…表情一つが立派な教育になる
髙宮
話はまったく変わるのですが、2022年秋に、慶應義塾高校の校長が阿久澤武史先生に替わられたとお聞きして、高校時代のエピソードを思い出しました。
ある日、地理のベテランの先生が、授業が終わる間際に、多国籍軍※による空爆が始まったと静かに話されました。それを聞いたクラスの雰囲気が、なぜか異様に盛り上がったということがありました。
高校1年生の男子にとっては、「正義の力でやってやる」みたいなイメージに興奮していただけなのだと今では思うのですが、そのときに、その地理の先生がとても悲しそうな顔をされていまして。それがなぜか今でも強く記憶に残っています。
藤崎
こいつら何なんだ、と思われたんでしょうか?
髙宮
戦争が拡大することへの懸念もあったと思いますし、我々の幼稚さにがっかりしたのかもしれません。それでも、「戦争は悲惨なんだから」といった説教じみた話は一切ありませんでした。今の自分があの席に座っていたら、もっと違うリアクションをしただろうと思います。
校長になられた阿久澤先生は、当時現代文の先生だったのですが、私たちのことをとても大人扱いしてくれた印象が強く残っています。常にしっかり見守ってくれている、と実感できる雰囲気がありました。
お二方に共通していることとして、知識を教えるだけではなく表情で伝える、教育にはそういった要素も間違いなくあると思っています。表情一つが立派な教育になる。学校で学ぶことの意味には、そうした点も含まれるのではないかと思います。
藤崎
確かに。それは間違いなくそうだと思います。これはいろいろな場面でお伝えしているのですが、国際レベルで必要なのは、聞いて言い返せる力が非常に重要なわけです。聞くためには、相手の言葉が理解できないといけない。「もう一回言ってください」と毎回相手の話をさえぎっていたら、誰も話しかけてくれなくなります。
昔の外交官は、自分の国が侮辱されたら、立ち上がって反論するか、ガンと机を叩いて退出するか、どちらかの態度を取るようにと教えられてきたそうです。黙って聞いていては、相手の発言を容認したことになってしまうわけです。
そのためには、自国の悪口を言われたかどうかが分からなければなりません。聞き取る力が不可欠なのです。あるいは、外国語で文書を作成するにしても、1ページに10個も20個も誤りがあっては信用されません。本を1冊読むのであれば2~3日。英語の本を1冊読むのに2カ月もかかっているようでは実用になりません。
そこまで語学の力を高めないと、国際的には通用しません。この数十年で世界の共通語は英語になりました。英語がしっかりできれば、国際的にもかなり役に立つ人材になれる可能性があるわけです。
高宮 敏郎
SAPIX YOZEMI GROUP共同代表
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