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東大生を1968年ごろと2009年~2015年で比較すると
髙宮
濱田先生が関西から上京された頃の東大と、先生が在任中の東大を比較したとき、多様性の点で違いを感じられたことはありますか?
濱田
以前のほうが学生の多様性はあったと思います。私が大学に入った1968年ごろは、地方の国立/公立高校の出身者がたくさんいました。しかし他方で、「東大」という枠を今以上に意識していた気がします。「東大生はこうあるべきだ」という思い込みが強く、自らを枠にはめてしまっていたように思います。
髙宮
さまざまなバックグラウンドを持って地方から出てきても、「東大」という枠の中に収まらなければいけない。そんな感覚があったということでしょうか? その点についてもう少し詳しくお聞きしたいです。
濱田
多様なバックグラウンドを持っているにもかかわらず、自分の個性、自分の地域性などを出すのではなく、東大生らしくしているべきと考える学生が多かった。「東大生らしさ」が何を意味するのかは別として、社会的に期待される枠があって、東大生の基準とはどのようなものかを探る感覚が、当時はかなり強くあった気がします。
髙宮
当時の社会の風潮の中で、大学生としての「ある種の成功のモノサシ」に近寄っていく。そんな感覚があったということでしょうか?
濱田
その通りです。入学した後にクラス写真を撮るのですが、約半数の学生が、高校時代の詰め襟の制服を着ていました。そして誰もが真面目な顔をしていました。東京に来て、東大生であることの緊張感にとらわれていたのでしょう。その意味で、本来の多様性が十分に発揮できていなかったと感じます。
自分らしさを出せるようになった東大生
髙宮
それが、濱田先生の在任中の時期になると、多くの学生たちが自分らしさを出せるようになってきた。そういうことになりますか?
濱田
私が在任していたころ、それぞれが自分の個性を大事にするようになっている傾向を感じました。もちろん、時代の雰囲気などの変化が大きく影響していたと考えています。
