FRBは利下げを決定、FFレートの引き下げも
FRBは12⽉17〜18⽇に開催したFOMCで事前の予想通り2015年1⽉〜2024年12⽉、⽉次0.25%の利下げを決定し、政策⾦利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導⽬標レンジが従来の4.75%〜4.50%から4.50%〜4.25%へ引き下げられました(図表4)。
もっとも、声明⽂ではハマック・クリーブランド連銀総裁が政策⾦利の据え置きを求め、反対票を投じたほか、ドットチャート(FOMCメンバーの政策⾦利⾒通し)ではFOMCメンバー19⼈のうち4⼈が政策⾦利の据え置きが妥当としている様⼦がうかがえるなど、今回の利上げは僅差の決定だったとみられます。
声明⽂では、先⾏きの政策⾦利について「追加調整の程度と時期を検討する際、FOMCは今後得られる情報、今後の⾒通し、リスクバランスを慎重に評価する」と⽰され、今後の利下げペースの鈍化を⽰唆した格好となりました(図表5)。
実際、ドットチャートが⽰す政策⾦利⾒通しは2025年末が3.875%(9⽉︓3.375%)、2026年末が3.375%(9⽉︓2.875%)、2027年末が3.125%(9⽉︓2.875%)と、9⽉時点に⽐べると利下げペースが減速し、2025年の利下げ回数が9⽉時点の4回から2回へと減少する⾒込みとなっています(図表6)。
また、「Longerrun」(景気を熱しも冷やしもしない中⽴⾦利を意味する⻑期のFF⾦利⽔準)についても3.00%と、9⽉の2.875%から上⽅修正されています。利下げの最終局⾯の⽔準が切り上がっている点もタカ派的と考えられます。
パウエルFRB議⻑は、追加利下げには「インフレ鈍化の更なる進展と、労働市場の継続的な強さ」が必要だと指摘し、今後の利下げを「慎重に判断できる」とも述べ、利下げペースの鈍化を⽰唆しました。
また、トランプ次期政権が掲げる減税や追加関税などの影響については、⼀部のメンバーが先⾏して⾒通しに反映させたことを⽰唆したうえで、関税引き上げの影響について「物価にどの程度影響を与えるかは多くの要因が関係している。また、その影響がどの程度持続するかも分からない。実際の政策については、本当にまったく分からない」との⾒解を⽰しました。
2025年の政策⾦利⾒通しが上⽅修正された背景には、⼀部のメンバーがトランプ次期政権の政策を⾒通しに織り込んだことが影響している可能性があります。今後、トランプ次期政権の政策が明らかとなり、タカ派的なメンバーが増えてくることで、政策⾦利の⾒通しが更に上⽅修正される可能性には留意が必要です。
東京海上アセットマネジメント
※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…12月第3週の「米国経済」の動き』を参照)。
※本記事は東京海上アセットマネジメントの「TMAMマーケットウィークリー」の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。
※全文は「TMAMマーケットウィークリー」をご確認ください。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】