個人投資家は、証券会社を通して売買注文を出す
前回までの連載では、間違いだらけの株式投資について、杏奈さんの母親の言葉、おじさんなどの事例をヒントにしながらよく聞かれる株式投資の落とし穴を整理しました。
株はギャンブルとはそもそも違うこと、人間の「損を嫌がる癖」が株の売買の判断を鈍らせていること、そして、株の売買は大きな市場に発展しており、自分のペースでかかわることが必要だと大輔さんは説明しています。
特に、株の売買の仕組みを知るためには、証券取引所や証券会社の役割をしっかりと理解しておくことも大切です。証券取引所と証券会社の役割は、以下のような図でイメージすることができます。
証券取引所には、たくさんの上場企業の株(日本国内でも2016年現在で3600社以上)が売買できるように整備されており、私たち個人投資家は、証券会社を通して売買注文を出すことができます。
株式投資は「自分のペース」で売買することが大事
たとえば、投資家1がA社の株に投資しようと行動する場合、自分が口座を開いている証券会社のネット注文画面を通して、「A社の株を700円で100株買いたい」と買い注文を出します。
一方、投資家2が、別の証券会社を通じて、「A社の株を700円で100株売りたい」と売り注文を出していたとすると、ちょうどそれらがピッタリの条件なので、取引成立となります。
取引が成立したことによって、投資家1は、購入資金を払い、売り注文を出した投資家2の元には売却代金が入ります。(実際は、証券会社の売買手数料がかかるので、代金+αのお金が動きます。)
このように株式投資はしっかりとしたシステムが整備されていることで、私たち個人投資家がかかわっていけるのですが、前回、大輔さんは、特に自分の目的やビジョン、許容できるリスク度、お金の管理など自分のペースでかかわることが必要だと言っています。
株式投資自体はギャンブルでも悪でもなんでもなく、しっかりと目的やメンタル面の準備、投資をする段取りができていれば、楽しく付き合えるものになります。